ニュース

ヤンマーが「燃料電池船」、大分県近海で実証

2021/03/27 22:45
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
舶用燃料電池システム実証試験艇
(出所:ヤンマーホールディングス)
クリックすると拡大した画像が開きます

 ヤンマーホールディングスおよびグループ会社のヤンマーパワーテクノロジー(大阪市)は3月24日、船舶用燃料電池システムの実証試験を開始したと発表した。水素を燃料とした将来のパワートレインの技術実証の一環で、2025年までの実用化を目指す。

 トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI」向け燃料電池ユニットなどを組み合わせて船舶用燃料電池システムを開発し、自社製ボートに搭載した。国土交通省の「水素燃料電池船の安全ガイドライン」に国内で初めて正式準拠した船になる。

 固体高分子型燃料電池モジュール2基と70MPa高圧タンク8本を搭載した。推進出力は250kW。船体型式はEX38A(FCプロト艇)で全長12.4×全幅3.4m、総t数は7.9t。

 実証実験では、実運用に向けた船舶特有の課題の抽出と対策を評価する。実証場所は大分県国東市の近海。将来的には、燃料電池システムの複数台連結による大容量パッケージを開発し、より大型の船舶向けへの搭載を目指す。

 船舶業界では、国際海事機関において今世紀中の温室効果ガス(GHG)排出ゼロを目指す「GHG削減戦略」が採択されるなど、世界的な環境規制強化が進んでいる。また、経済産業省の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、水素やアンモニア燃料などのカーボンフリー燃料船の開発に取り組むとしている。

  • 記事ランキング