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国内初の「バーチャルコーポレートPPA」、非FIT太陽光を活用

2021/04/08 22:38
工藤宗介=技術ライター
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「バーチャルコーポレートPPA」の提供イメージ
(出所:シナネン)
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 シナネン(東京都港区)は4月5日、再生可能エネルギーの導入・調達をサポートするクリーンエナジーコネクト(東京都品川区)と提携し、固定価格買取制度(FIT)に依存しない非FIT太陽光発電所を活用した「バーチャルコーポレートPPA(電力購入契約)」を提供すると発表した。

 「バーチャルコーポレートPPA(電力購入契約)」とは、金融手法を使って売電価格を固定的に保証するもので、一般的な「フィジカルコーポレートPPA」と違って、電気の実際の流れと、環境価値の提供先が異なっていることで柔軟な運用が可能になる。欧米のPPAスキームでは、主流になりつつある (関連記事:「PPAは最終的にはバーチャル型に移行へ」、中山・京大特定講師)。

 今回の提携に基づき、シナネンは非FIT太陽光発電所から直接電力を調達し、顧客企業に電力と環境価値を供給する新たな事業スキームを構築する。顧客企業は、新規の再エネプロジェクトの創出に貢献できるほか、長期契約により卸電力市場に左右されず安定した再エネ電源の調達が可能になる。

 一般提供に先駆けて、クリーンエナジーコネクトが東京電力パワーグリッド管轄内に投資・建設・所有する予定の複数の非FIT太陽光発電所から電力と環境価値を調達し、シナネンの旧本社ビルに試験的に導入する。合計出力は約1MW、年間発電量は約100万kWhを見込み、旧本社ビルの電力を100%賄える見込み。2021年秋に運転を開始する予定。

 トライアル導入後、非FIT太陽光発電所の具体的な発電データなどを用いて安定的な電力供給が可能かのリスク評価を行った上で、バーチャルコーポレートPPAの提供先となる顧客企業を選定する予定。現状の電気事業法と照らし合わせ、関係各所と調整し最適な事業スキームを構築すべく準備を進めていく。

 シナネンは、2025年度末までに、クリーンエナジーコネクト開発案件を含め、少なくとも合計100MW程度の非FIT太陽光発電所と契約し、顧客企業とのバーチャルコーポレートPPA成約を積極的に推進していく。

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