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「再エネ・アグリ」で発電予測5%向上、エナリスが実証成果

発電計画のインバランスは20%でコストは想定の「1円」超える

2021/04/15 17:38
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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実証によるインバランス率の結果(2020年11月九州エリアの9グループ)
(出所:エナリス)
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 エナリス(東京都千代田区)は、KDDIと共同で2016~2020年度に実施してきた「バーチャルパワープラント構築実証事業」の成果を公表した。同社は、17社から成るコンソーシアムを組成して実証事業を実施した。

 需給調整市場を見据えた調整力制御の成功率や市場価格に連動したデマンドリスポンス(DR=需要応答)の経済効果検証では、蓄電池や自家発電機を用いた制御で成功率100%を達成し、需給調整市場で求められる要件を満たすことを確認したという。
 
 また、2022年度から大規模太陽光に導入されるフィードイン・プレミアム(FIP)を想定した実証も盛り込んだ。FIPでは再生可能エネルギー発電事業者に計画値同時同量制度が適用される。同制度への対応を想定し、再エネ発電所のアグリゲート(集約)で、一定の効果を得たものの、課題も明らかになったという。

 具体的には、3エリアで太陽光と風力発電による再エネ・バランシンググループ(合計設備約289MW)を組成し、発電計画と発電実績値を比較し予測誤差を検証した。

 その結果、グループ化による「ならし効果」で発電量の予測精度が向上し、インバランス(計画値からの逸脱)は5%低減した。また、風力に比べ太陽光の予測精度の方が高かったため、風力と太陽光によるバランシンググループでは、風力単体よりもインバランスが低減される傾向が見られたという。

 とはいえ、平均すると約20%のインバランスが発生しており、これをインバランスコストに換算すると約1.3~約2.4円となり、FIP制度上、想定されている1円を超えたという。

 同社では、こうした結果から、再エネ・バランシンググループを組成した上で、再エネ発電量の約20%程度の調整可能リソースが必要としている。また、将来的には、需要側と発電側のリソースアグリゲート間でバランスをとっていく仕組みも必要としている。

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