水素

国交省、水素社会実現へ、「カーボンニュートラルポート」構築

小名浜港など全国6地域の港湾を選定して検討

2021/04/28 23:30
山口健 = 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 国土交通省は、国際物流の結節点・産業拠点となる港湾において、「カーボンニュートラルポート(CNP)」の構築に着手した。

 日本の港湾は、輸出入貨物の99.6%が経由する国際サプライチェーンの拠点であり、同時に日本のCO2 排出量の約6 割を占める発電、鉄鋼、化学工業などの工場の多くが立地する産業の拠点でもある(図1)。

図1●総貿易量とCO2排出量
図1●総貿易量とCO2排出量
日本の港湾は、輸出入貨物の99.6%が経由する国際サプライチェーンの拠点であり、日本のCO2 排出量の約6 割を占める発電所、鉄鋼、化学工業などの多くが立地する産業の拠点でもある。(出所:国土交通省、「カーボンニュートラルポート(CNP)検討会の結果及びCNP 形成計画作成マニュアル骨子」)
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 2020年12 月に公表された「2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において燃料アンモニア産業、水素産業をはじめ14 の重要分野が取り上げられたが、この燃料アンモニア及び水素は、港湾を通じて輸入されることが想定される。また、国際エネルギー機関(IEA)が2019 年にとりまとめたレポートでは、水素利用拡大のための短期的項目として「工業集積港をクリーン水素の利用拡大の中核にすること」と指摘している。こうした背景から、港湾部を脱炭素化に向けた集中的な対策拠点とすべくCNP形成に取り組む。

 まずは全国6地域の港湾を選定して検討会を開催。2021年4月、各検討会においてCNP 構築に向けた取り組みの検討結果をまとめ、港湾局においてCNP 形成計画を作成する際のマニュアル骨子としてまとめた。国交省は、これをベースに2021年度内にマニュアルを策定するなど、引き続きCNP 形成を全国に展開していく(図2)。

図2●カーボンニュートラルポート(CNP)の形成イメージ
図2●カーボンニュートラルポート(CNP)の形成イメージ
海外から水素/アンモニアを輸入し、火力発電所をはじめ製鉄所、化学プラントなどで利用する。トラックや船舶、荷役機械は燃料電池を導入する。(出所:国土交通省、「カーボンニュートラルポート(CNP)検討会の結果及びCNP 形成計画作成マニュアル骨子」)
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CNP形成を目指すマニュアル

 今回、対象とした港湾は、コンテナターミナル、バルクターミナルのうち、多様な産業が集積する6地域の港湾(小名浜港、横浜港・川崎港、新潟港、名古屋港、神戸港、徳山下松港)である。

 「カーボンニュートラルポート形成計画(仮称)」は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化などを通じて温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするCNPの形成を目的とする。マニュアル骨子は以下の通り。

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 こうした水素利用の動向に関しては、日経BP 総合研究所が昨年発行した「世界水素ビジネス-全体動向編-」の中で、「作る」「運ぶ/貯める」「使う」ための各種技術の解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの水素普及シナリオを紹介している(世界水素ビジネスー全体動向編ー」の案内サイト)。

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