再エネ拡大へ「45GWの営農型太陽光を」、ASPEnが提言

2021/05/08 10:49
工藤宗介=技術ライター
ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)の例
ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)の例
(出所:太陽光発電事業者連盟・ASPEn)
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 一般社団法人・太陽光発電事業者連盟(ASPEn)は4月23日、日本政府の2030年に向けた気候変動対策目標の引き上げ表明を受け、再生可能エネルギーの導入量拡大に向けた提言書を発表した。短期間で大量導入可能な再エネ電源は太陽光発電とし、今後10年間に国内で45GWのソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の導入を目指して必要な政策支援を求めている。

 同提言書では、国内の農地面積は耕地が約437万haと荒廃農地が約28万ha(うち再生利用可能なものは9.1万ha)であり、このうち約2%にあたる10万haを活用することで同提案規模のソーラーシェアリングが導入可能としている。国内のうちの水田と畑の比率は概ね55対45であり、同等比率でソーラーシェアリングを設置したと仮定すると、営業粗収益は概算で年間1100億~1200億円になる。

 また、現在の技術水準でも、農作物の生産を損なうことなく農地1haあたり年間約100万kWhの電力生産が可能としている。これにより農地10万haへの導入で年間1000億kWhを確保でき、売電単価を10円/kWhと仮定すると年間1兆円分と算出される。ソーラーシェアリング設備の導入に必要な投資額としては合計11兆円を見込んでいる。

 これらの目標達成には、2030年に向けた高い再エネ導入目標および目標達成と貫徹する政治的意志の表明、再エネ導入の妨げとなっている系統制約の速やかな解消、ソーラーシェアリングの国家プロジェクトとしての研究開発の推進、固定価格買取制度(FIT)やフィード・イン・プレミアム(FIP)に関する制度設計の抜本的な見直し、兼業農家によるソーラーシェアリングを促進する政策、太陽光発電における直流側蓄電池の導入に関する規制見直し、電気自動車による系統売電を可能とする電気計量制度の見直し、再エネ導入を促進する税制および融資支援制度の導入、といった政策が必要としている。

 太陽光発電事業者連盟(ASPEn)は、事業用低圧太陽光など小規模な野立て型太陽光の開発事業者などを主体にした業界団体で、2018年11月に設立された。