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世界最大の水素運搬船向け貨物格納設備、川重が開発

2021/05/08 11:11
工藤宗介=技術ライター
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大型液化水素運搬船のイメージ
(出所:川崎重工業)
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 川崎重工業は5月6日、大型液化水素運搬船に搭載する1基あたり4万m3クラスの貨物格納設備(CCS)を開発し、一般財団法人・日本海事協会から設計基本承認(AiP)を取得したと発表した。今後、同設備を4基備えた16万m3型大型液化水素運搬船を開発し、2020年代半ばの実用化を目指す。

 零下253度に冷却して体積を800分の1にした極低温の液化水素を大量に海上輸送するための独立タンク。同社が建造した1250m3型水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の設計・建造技術および安全性に関する技術を活用した。

 直径は約43m、貨物格納時容積は約4万m3で、船舶用の液化水素格納設備としては世界最大規模になるという。液化水素の大量輸送に向けて、大型LNG(液化天然ガス)船と同等のタンク容積とした。船体から独立した自己支持方式を採用し、液化水素積載時の熱収縮に柔軟に対応する構造を実現した。

 外部からの侵入熱によって発生するボイルオフガス(BOG)を低減するために新開発の高性能断熱システムを採用。また、自然発生したBOGは船舶の推進燃料として活用し、液化水素輸送に関するCO2排出削減にも寄与する。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「水素社会構築技術開発事業大規模水素エネルギー利用技術開発液化水素の輸送貯蔵機器大型化および受入基地機器に関する開発」の一環で開発した。

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