「バーチャルPPA」導入に向け制度改革を、JCLPが意見書

2021/05/14 22:14
工藤宗介=技術ライター
「バーチャルPPA」のイメージ
「バーチャルPPA」のイメージ
(出所:クリーンエナジーコネクト)
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 温暖化対策に先進的に取り組む日本企業グループ、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は5月13日、固定価格買取制度(FIT)やフィード・イン・プレミアム(FIP)を用いない「非FIT・FIP再生可能エネルギー」の選択肢を多様化することに関する意見書を公表し、経済産業省など関係省庁に提出したと発表した。

 意見書によると、「2050年カーボンニュートラル」および「2030年温室効果ガス排出削減目標2013年度比46%削減」の達成に向けて、需要家企業自身が自社の再エネ調達を加速することが重要になる。そのような中、「RE100」など需要家企業が主体的に再エネを調達する流れが拡大しているという。

 その流れを、より効果的に再エネ拡大につなげるには、需要家が主体的に参画できる再エネ調達の選択肢を増やす仕組みが重要になる。また、再エネ拡大に向けてFIT・FIPに伴う国民負担とのバランスを取る必要性があり、FIT・FIPを用いない再エネ調達の新たな選択肢があれば民間投資がさらに喚起されるとしている。

 そのための仕組みとして「バーチャルPPA(V-PPA)」の早期導入を提案している。V-PPAは、需要家が直接発電事業者と中長期契約を結び、実際の電力売買とは切り離した形で再エネ属性(環境価値)を直接移転する仕組み。米国で2019年に締結されたPPA契約の約80%をV-PPAが占めるなど、欧米では主流の手法となっている。

 V-PPAには、「電力と再エネ属性を切り離すため需要地と再エネポテンシャルが豊富な地域が物理的に離れている場合でも再エネ開発を促進できる」「長期電力契約を締結している企業が既存の小売契約を変更せず追加的に再エネを調達できる」「需要家が電力取引機能を自ら持つ必要がないなど需要家が採用しやすい」といった特徴がある。

 その一方、日本では、需要家企業が発電事業者から直接非化石証書を購入できないなど、制度的障壁により実現困難なのが実情という。エネルギー基本計画の見直しなどでエネルギー政策の方向性が示される今夏のタイミングを逃さず、状況の打開に向けた施策を早急に検討する必要があると指摘する。

 意見書では、V-PPA導入に向けて(1)非FIT(再エネ指定)証書などの再エネ属性を需要家企業が発電事業者から直接購入可能にする、(2)非化石証書など再エネ属性の無効化制度および税の取り扱いを明確化する、(3)非FIT再エネの経済性を高めるためのインセンティブを導入する、の3つの事項について早急な対応を要望している(関連記事:「PPAは最終的にはバーチャル型に移行へ」、中山・京大特定講師)。