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藻類から化学品と燃料製造、ちとせグループが企業連携

2021/05/19 19:33
工藤宗介=技術ライター
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MATSURIで藻類から作ることができる製品のイメージ
MATSURIで藻類から作ることができる製品のイメージ
(出所:ちとせグループ)
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ちとせグループが設計・監修を担当したサラワク生物多様性センター(SBC)敷地にある1000m2の藻類培養設備
ちとせグループが設計・監修を担当したサラワク生物多様性センター(SBC)敷地にある1000m2の藻類培養設備
(出所:ちとせグループ)
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多様な製品で事業化を目指す
多様な製品で事業化を目指す
(出所:ちとせグループ)
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 バイオベンチャー企業群ちとせグループは5月13日、9業種20組織と共同で、藻類を活用した日本発の企業連携型プロジェクト「MATSURI(まつり)」を4月から始動したと発表した。パートナー企業・団体と一体となって藻類産業の構築を目指す。

 現在、健康食品や化粧品といった高付加価値製品の市場では、既に藻類から得られる成分を用いた製品が販売されている。一方、燃料やプラスチックなど比較的単価が安い製品では、藻類原料の生産コストが高く事業化が難しいといった課題がある。

 MATSURIは、多種多様な業界からさまざまな企業・団体が参加し、藻類培養に関する設備の開発や物流網の整備、最終製品の開発・販売など、生産から販売までの各段階で事業する。藻類を構成するタンパク質・脂質・炭水化物などすべての成分を最大限に活用し、多分野で収益性が確保できる産業構造を目指す。

 また、製品中の藻類原料の含有量や生産方法について定量・定性的な情報開示を徹底する。藻類製品は現状、有機JAS認定のような基準や規定がなく、また欧米を中心に環境配慮に見せかけた「グリーンウォッシング」が問題視され始めていることから、透明性のある情報発信により、これらの問題解決に取り組んでいく。

 今後のロードマップとしては、ちとせグループが中心となって、2025年に世界最大級の2000haの藻類培養設備を建設し、さまざまな製品の原料として300円/kg以下の生産コスト、乾燥重量で年間14万tの藻類を供給できる体制を目指す。

 参加組織は、ENEOS、三井化学、日本精化、富洋海運、花王、日本特殊陶業、本田技研工業、三菱ケミカル、興和、DIC、富士化学工業、日立プラントサービス、池田糖化工業、武蔵塗料ホールディングス、サラワク生物多様性センター(SBC)、新潟県長岡市、佐賀県佐賀市、山梨県北杜市(申し込み順)など。今後もパートナーを広く募り、2020年度内に100組織の参加を目指す。

 ちとせグループは、マレーシアサラワク州において三菱商事とSBCが共同で設立した1000m2規模の藻類培養設備の設計・監修を手掛けた実績がある。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業として、マレーシアで5ha規模の藻類培養設備の構築および長期大量培養を実証している。

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