太陽光の余剰を水素で貯蔵、清水建設が北陸支店でZEB達成

2021/05/19 19:45
工藤宗介=技術ライター
清水建設・北陸支店の新社屋
清水建設・北陸支店の新社屋
(出所:清水建設)
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太陽光の余剰電力を水素として蓄える「Hydro Q-BiC」
太陽光の余剰電力を水素として蓄える「Hydro Q-BiC」
(出所:清水建設)
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 清水建設は、金沢市で建設を進めてきた「清水建設北陸支店新社屋」が竣工し、5月17日から新社屋での業務を開始した。「超環境型オフィス」として、中規模オフィスでは北陸地域初となるZEB(ネットゼロ・エネルギー・ビル)を実現した。

 屋根上に出力140kWの太陽光発電設備を設置。各種省エネ技術によって建物のエネルギー消費量を基準値の28%まで低減したことと合わせて、年間エネルギー収支ゼロを達成した。年間CO2排出量を290t程度削減できる見込み。

 発電技術として、産業技術総合研究所(産総研)と共同開発した建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」を導入した。太陽光発電の余剰電力を利用して水素を製造・貯蔵し、災害時など必要な時に発電燃料に利用する。蓄電能力は2000kWhで、非常用電源として72時間分の電力を供給できる。実用化第1号となる。

 省エネ技術には、金沢の気候・風土を活用した地下水を利用した空調熱源、自然通風・採光、床吹き出し空調、躯体蓄熱放射空調、タスク&アンビエント空調・照明などを備えた。環境性能は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の「ZEB」認証、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の「Sランク(最高ランク)」認証を取得した。

 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)の地下1階・地上3階で、延床面積は4224m2。意匠面では「木虫籠(きむすこ)」や「格天井(ごうてんじょう)」といった金沢の伝統的な建築様式を現代の技術で再現した。木鋼梁の外皮となる集成材には、石川県の県木である能登ヒバを採用し、合計232m3の県産材を用いてスパン25m超の木質天井を構築した。