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「再エネ5割で出力抑制率39%」、需要対策が不可避に、広域機関が試算

太陽光300GW・風力89GWを想定、系統増強13GWで

2021/06/03 20:48
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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 経済産業省は6月3日、有識者会議(再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会)を開催し、電力ネットワークの次世代化などについて議論した。そのなかで、電力広域的運営推進機関が系統増強案(中間整理)を公表し、再エネ5~6割の電源構成比率のケースでは、再エネに対する出力抑制が39%に上るとの試算結果を公表した。

 電力広域機関は当初、2030年度エネルギーミックス(電源構成)水準に洋上風力導入目標(30G~45GW)を加味して系統増強のマスタープランを検討していた。加えて、菅首相の2050年カーボンニュートラル宣言を踏まえ、再エネ5~6割(参考値)シナリオもマスタープランの検討に加えた。

 北海道・東北と九州沖への設置が多くなる洋上風力(45GW)に対応して、北海道~東京間に8GW規模、九州から中部間に5.56GW規模の系統増強を想定し、必要な投資額は約3.8~4.8兆円となる。この場合、再エネ比率は42%となり、系統増強によって再エネへの出力抑制率(出力制御率)は約17%から約4%に大幅に減少する。

洋上風力45GWを想定した場合のイメージ
(出所:電力広域的運営推進機関)
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 一方、再エネ5~6割のケースでは、洋上風力45GWに加え、太陽光約300GW、陸上風力約44GWを想定する。この場合、再エネ比率は53%に達するが、出力抑制が全国的に発生するため、増強前に42%の再エネ抑制率は、増強後でも39%となり、系統増強の効果は限定的になるという。

 広域機関では、再エネ5~6割に達した場合、系統増強に加えて、水素転換や蓄電池への充電など需要側を増加させることが、系統設備への投資効果を高める上でも重要になることがわかったとしている。

系統増強の4つのシナリオ。再エネ5~6割ケースでは出力制御率が39%になる
(出所:電力広域的運営推進機関)
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