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需要家が「非化石証書」を直接購入、全量に「発電源証明」付与(page 2)

国内の再エネ・トラッキングは国のシステムに収斂へ

2021/06/07 17:38
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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トランキングシステムは1つに収斂へ

 RE100など国際的な環境団体は、再エネの環境価値(証書)にトランキングシステムによる発電源証明を求めている。このため、新設する「再エネ価値取引市場」では、ほぼ全量にトラッキング情報を付与し、発電源証明の性格を持たせる方針だ。

 経産省は、すでに実証事業という形で、非化石証書の一部にトラッキング情報を付与してきたが、トラッキングのための情報開示に当たり発電者の同意を得ていることもあり、トラッキング付き証書の発行量は僅かにとどまっている。新市場開設に伴うトラッキングでは、発電者の同意取得を不要とする方向で検討している。

 国が電力需要家向けに「発電源証明付きの非化石証書」を本格的に提供する仕組みを創設することで、国内の再エネ・トラッキングシステムは、経産省主導の仕組みに収斂していくことになりそうだ。世界的には、再エネ・トラッキングシステムの運用は1地域で1機関とされている。これは複数のトラッキングシステムが併存すると再エネ電源をダブルカウントするリスクがあるためだ。日本では、現在、経産省のトラッキング実証事業のほか、複数の民間事業者が独自にトラッキングを行っているが、「再エネ価値取引市場」の創設と発電源証明の機能により、国のシステムに収斂していく可能性が高い。

図2●非化石価値を取引する2つの市場の検討・実施スケジュール
図2●非化石価値を取引する2つの市場の検討・実施スケジュール
(出所:経産省)
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