オリックス、寄居町で「乾式」バイオガス発電、生ごみと紙ごみで

2021/06/10 18:52
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
高さ約30m、約4000m3の発酵槽、最上部からバイオマスを投入する
高さ約30m、約4000m3の発酵槽、最上部からバイオマスを投入する
(出所:日経BP)
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発酵槽下の機械室。発酵槽の底から発酵の進んだ残渣を取り出す
発酵槽下の機械室。発酵槽の底から発酵の進んだ残渣を取り出す
(出所:日経BP)
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発酵して取り出したメタンで稼働するガスエンジン発電機
発酵して取り出したメタンで稼働するガスエンジン発電機
メタン比率は約75%。ガス供給を安定化するためにガスホルダーに貯めてから供給する(出所:日経BP)
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 オリックス資源循環(埼玉県寄居町)は6月10日、埼玉県寄居町に出力1.6MWの乾式バイオガス発電施設「寄居バイオガスプラント」を完工し、竣工式を開催した。今年6月から試運転を開始し、2022年1月に商業運転を予定している。

 関東圏から集めた食品廃棄物と紙ごみなどを原料に使う。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して、39円/kWhで売電する。

 バイオガス発電設備では、生物由来の有機廃棄物を原料に嫌気発酵してメタンを取り出し、それを燃料にガスエンジン発電機を稼働させる。従来、国内では下水汚泥や家畜糞尿を使った湿式による発酵プロセスがほとんどだったが、今回は相対的に含水率の低い生ごみと紙ごみを使うことで乾式プロセスを採用した。

 国内で乾式バイオガス発電施設が稼働するのは、香川県に稼働中の施設に続いて2例目で、関東では初めて。1.6MWのバイオガス発電設備は、乾式では国内最大規模になるという。

 湿式の場合、発酵槽内の水分の割合は約95%になるが、今回採用した乾式プロセスの場合、75%程度に下がる。このため、発酵後に残る残渣の処理は、脱水・乾燥装置で済み、湿式で課題となっている大規模な排水処理設備が不要になる。オリックス資源循環では、将来的に発酵残渣を十分に乾燥させたうえで、熱回収設備などの固形燃料として販売する計画という。

 同プラントでは、食品工場や外食店などから産業廃棄物として排出された食品廃棄物のほか、埼玉県小川町が収集した一般廃棄物のうち、生ごみと紙ごみを受け入れる。4月に同町と契約済みという。一般廃棄物の場合、家庭ごみ収集のなかで、生ごみと紙ごみを分別収集する仕組みがあることが条件になるという。

 それでも、受け入れた廃棄物のなかには、容器や包装などのプラスチックが混入する可能性があるため、発酵槽に投入する前に、破砕・選別工程を組み込んでいる。発酵槽に投入する際、原料の異物混入率を10~15%に抑えているという。

 オリックス資源循環の花井薫一社長は、「従来は燃やされていた紙ごみや生ごみを嫌気発酵プロセスによって、電気として利用できる意義は大きい」と強調する。焼却炉で熱回収してごみ発電によって電力に変換する場合に比べ、プラント運営に要するエネルギーが少なく、発電効率が高いため、トータルでのCO2削減効果が大きくなるとしている。