国民生活センター、家庭用蓄電池の勧誘トラブルで注意喚起

2021/06/10 19:21
工藤宗介=技術ライター
家庭用蓄電池に関する相談件数の推移
(出所:国民生活センター)
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相談事例における販売形態の割合
(出所:国民生活センター)
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 独立行政法人・国民生活センターは6月3日、家庭などで利用する据置型蓄電池(家庭用蓄電池)に関する相談件数が、2020年度には1324件に上ったと発表した。合わせてトラブル防止のための相談事例を公表し、消費者に注意を喚起した。

 2009年開始の余剰電力買取制度、2012年開始の固定価格買取制度(FIT)による住宅用太陽光発電の固定価格での買取期間は10年間と定められている。2019年以降、買取期間が順次満了することから、災害時にも電気を活用できる家庭用蓄電池を用いた自家消費システムが選択肢のひとつとして注目されている。

 それに伴い、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)による家庭用蓄電池に関する相談件数が増加傾向にあるという。2016年度の325件から、2017年度は552件、2018年度は926件となり、2019年度には1302件と初めて1000件を超えた。

 主な相談事例では、太陽光発電を導入済みの消費者に対して(1)太陽光パネルの無料点検で訪問した事業者に嘘の説明で勧誘された、(2)以前太陽光パネルを契約した事業者に契約金額などについて十分な説明なく勧誘された、(3)「今なら工事費、設置費無料」などと長時間勧誘された、(4)事業者から「補助金の申請は代行する」と説明されたが実際は申請されていなかった、といったケースがあった。

 また、太陽光発電を導入していない消費者に対しては、(5)電力会社の関連会社を名乗る事業者に「電気料金が安くなる」と勧誘された、(6)「安くできるのはあと2件」などと急かされ、よく検討せずに契約してしまった、といったケースもあった。いずれも特徴としては、突然の訪問、断定的な説明、契約をせかす勧誘、長時間にわたる勧誘などが挙げられ、契約後の設置工事や補助金をめぐるトラブルもみられるという。

 同センターでは、消費者に対して(1)事業者名や目的などをしっかり確認する、(2)蓄電池導入のメリットだけでなくコストも考慮する、(3)余剰売電より自家消費のほうが経済的なメリットが大きいとは限らないことに留意する、(4)複数社から見積もりを取り比較検討する、(5)契約書の内容をしっかり確認する、(6)トラブルが発生したら消費生活センターなどに相談するーーなどをアドバイスしている。