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木造建築でZEB実現、太陽光と鉛電池採用

2021/06/14 21:54
工藤宗介=技術ライター
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多摩産材を活用したZEB新事務所の概念図
(出所:森のエネルギー研究所)
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 木質バイオマス活用の調査・設計業務を行っている森のエネルギー研究所(東京都羽村市)は6月4日、東京都青梅市内に「多摩産材を活用したZEB新事務所」を建設すると発表した。木造かつZEB(ネットゼロ・エネルギー・ビル)を達成した建物は、東京・多摩地域内では初となる。8月をめどに着工し、2022年1月に竣工する予定。

 出力11.9kW・年間発電量12.93MWhの太陽光発電設備と容量26.5kWhの鉛蓄電池、BEMS(ビルエネルギー管理システム)のほか、暖房用に熱出力8kWの二次燃焼型薪ストーブを設置し、建物で消費する年間の一次エネルギー収支ゼロを実現した。建物には多摩地域で生産されたヒノキやスギなどの木材を利用した。

 木造2階建てで延床面積は196m2。1階は、障がい児通所支援事業などを手掛ける知創が入居し、森のエネルギー研究所と連携した林福連携事業として、木工品などの製造・販売を行う就労継続支援B型事業所を開設する。2階は、森のエネルギー研究所の新本社事業所となる。

 6月2日付で環境省の補助金「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」の採択を受けた。同社では太陽光発電・蓄電池・BEMSの導入費800万円弱に対して3分の2補助を見込んでいるが、電力の自家消費による電気代減額分を考慮すると補助金ありで9年以内、補助金なしでも26年以内に投資回収が可能と試算する。

 同社は、同事業所の建設により「電気代を20数年先払いするという投資を行えば、一般家庭や小規模事業所でもCO2ゼロの電力を昼夜通して自給できる」と具体的に提示し、多摩地区をはじめ全国各地で高気密・高断熱な木造ZEBの普及に取り組んでいく。

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