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電力分野は再エネ急増、石炭火力より安価に、REN21報告書

最終エネルギー需要に占める割合では横ばい

2021/06/16 06:25
工藤宗介=技術ライター
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最終エネルギー需要に占める再生可能エネルギーと化石燃料の割合
(出所:REN21)
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 再生可能エネルギー関連の国際団体であるREN21は6月15日、年次報告書「再生可能エネルギー世界白書2021(Renewables 2021 Global Status Report)」を発表した。この10年間、再エネと化石燃料のシェアに変化がなく「直近10年の気候政策に関する約束は空疎な言葉でしかなかったという不都合な真実に気づきつつある」と警告する。

 同報告書によると、2009年の最終エネルギー需要に占める再エネ割合が8.7%、化石燃料が80.3%。2019年は再エネが11.2%、化石燃料が80.2%と、この10年間でほとんど変化がなかった。また、コロナ禍に伴うエネルギー消費の歴史的な減少にも関わらず、G20諸国のうち2020年の再エネ目標を設定していた5カ国はその目標達成に苦しみ、残りの15カ国は目標すら設定していなかった。

 一方、電力分野では再エネへの転換が進んであり、2020年には前年比約30%増となる256GW以上が追加された。現在、中国、EU、インド、米国を含むより多くの地域で、既存の石炭火力発電所を運転するよりも、風力発電や太陽光発電を新設する方が低コストになっている。

 日本の再エネについては、2020年の太陽光発電は前年比16%増の8.2GWを追加、風力発電は前年の約2倍となる約0.6GWを追加した。浮体式を含む洋上風力発電の入札が初めて開始したほか、2030年までに10GW、2040年までに30~45GWを導入するという「洋上風力産業ビジョン」を発表した。

 また、出力10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)由来の水素製造施設を用いてグリーン水素製造の最高記録を達成した。再エネ由来の電力で充電することを条件に電気自動車への補助金を増額する計画を発表し、こうした政策を掲げる3カ国(オーストリア、ドイツ)のひとつとなった。

 日本では、カーボンニュートラルの実現に向けて、2050年までに再エネによる発電電力量を50~60%にするという参考値を示している。2019年の日本の最終エネルギーに占める再エネ割合は約8%だった。

 その一方で、最終エネルギー消費量に対する2020年の具体的な再エネ目標を設定しなかった。報告書では、長期的な実質ゼロ目標を設定するだけでは、再エネへの関心が高まって目標を達成できるとは限らず、その目標を確実に達成するための着実な政策や規制が必要と指摘している。

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