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内閣府タスクフォース、エネルギー基本計画の改訂に向け「三原則」提言

「再エネ最優先」「柔軟性重視」「公正な競争環境」を求める

2021/06/16 20:57
工藤宗介=技術ライター
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リモートで開催されたタスクフォースの様子
(出所:内閣府)
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会議に参加した河野大臣
(出所:内閣府)
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 内閣府は6月3日、「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」の第10回会議を開催し、再エネの主力電源化・最大限活用を実現する三原則として、(1)再エネ最優先の原則、(2)柔軟性重視の原則、(3)公正な競争環境整備の原則、を提言した。

 「再エネ最優先の原則」では、再エネは特に日本にとって最も現実的かつ緊急性の高い脱炭素化の手段であり、その導入と活用を他のエネルギーに先んじて重点的に進めていくことを掲げる。政策資源を再エネに集中投入するとともに、再エネに親和的なエネルギーシステムや市場制度への改革を急ぐとした。

 特に系統制約問題は、欧州などと比べて再エネ導入の不当な障害となっており、可及的速やかに解消することを求めた。接続時の系統増強費用の一般負担化、北海道のサイト側蓄電池設置要件の廃止、ノンファーム型接続後の系統利用の優先順位として先着優先からメリットオーダー(限界費用の安い順)への変更、ローカル系統・配電系統への対象拡大など、協議中の案件を前倒しで実施することを挙げる。

 「柔軟性重視の原則」では、風力や太陽光などの変動性再エネの割合が増えるなかで、火力発電の出力調整運転、揚水運転、送電網の広域運用、そのための国内外の系統拡充、デマンドレスポンス(需要応答)、電気自動車(EV)を含む蓄電池など、電力システムの柔軟性を確保し、需給調整市場なども通して合理的に拡大することが不可欠とした。

 その一方、原子力や石炭火力といった出力調整が困難な電源は、柔軟性に逆行するため、欧州では不要論が指摘されて久しいと指摘する。再エネを主力とする電力システムへ移行するうえで、ベースロード電源を優先するルールや補助の撤廃を求めた。

 「公正な競争環境整備の原則」では、現状の競争政策は不十分で既存電源や既存事業者への配慮が目立ち寡占状態が続いていると指摘。再エネや新規事業者が公正に競争できる環境整備に向けて、大手電力会社の旧卸電気事業者や公営水力との長期相対契約の解除、大手電力会社に一定量の市場玉出しの義務付け、スポット価格高騰問題の要因究明・再発防止を徹底した上で新電力などへの適切な還元策実施などを挙げた。

 また、消費者が自由に再エネ電力を選べるように、「再エネ証書と原子力証書の分離」「証書の購入にあたり最低価格をなくし財務上費用化できるようにする」「バーチャルPPAを可能にする」「電源トラッキング義務化の早期実現」「小売事業者が再エネ証書によってエネルギー供給構造高度化法場の義務付けを達成できるようにする」などを求めた。

 同タスクフォースでは、2050年までのカーボンニュートラル宣言、2030年までのCO2排出量46%削減目標といった政府の新たな長期方針に基づき、2020年12月の第1回会議以来、再エネの主力電源化に向けて系統制約や立地制約といった規制上の課題に取り組んできた。

 これまで経済産業省と電力システムの規制改革について協議を進めてきたが、基本的立場において大きな相違を感じてきたという。再エネを最優先で主力電源化するという方針が共有されていないことが協議の不調に影響していることから、今回の三原則を明記することを改めて提言した。今後、経産省がエネルギー基本計画を策定するにあたって、事前に内閣府との間で協議するよう求めている。

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