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アジア太平洋地域の風力・太陽光への投資、今後10年で140GW

2021/06/25 22:10
工藤宗介=技術ライター
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Wood Mackenzieのホームページ
(出所:Wood Mackenzie)
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 英国のコンサルティング企業であるウッドマッケンジー(Wood Mackenzie)は6月22日、アジア太平洋地域の風力・太陽光発電への投資は、2021~2030年の10年間で、2011~2020年の過去10年間と比較して2倍の1兆3000億米ドルまで拡大する可能性があると発表した。

 同地域の発電設備への投資は、2030年までの10年間で2兆4000億ドルに達すると予想されており、風力・太陽光はその半分以上を占めるという。風力・太陽光発電への投資額は、中国本土、日本、インド、韓国、台湾が上位を占める。年間追加容量は平均約140GWとなり、平均的な総発電容量追加量の3分の2を占める。また、この地域は、太陽光発電技術の革新と製造の中心地であり、設備投資とO&Mコストを削減する可能性を秘めた多くの新技術の実験場になると見ている。

 日本については、2050年ネットゼロ目標の達成に向けて洋上風力が重要な役割を果たすと指摘している。この目標を達成するためには、今世紀半ばまで毎年、新たな原子力発電所1基分に相当する洋上風力を設置する必要があると試算する。

 このほかの国では、中国が2030年までに目標としている風力・太陽光発電容量1200GWを達成するには、今後10年間で534GW以上を追加する必要があり、年間の風力発電追加量は40GW以上になる。また、韓国は約4.4GWの開発パイプラインを持つ。

 東南アジアでは、2040年までに年間140億ドルの風力・太陽光発電への投資が必要とされ、電力投資全体の半分弱を占める。同地域は2018年以降、設置容量が毎年2倍以上に増加しており、今後10年間で100GW以上の太陽光が追加される見込み。

 オーストラリアでは、風力・太陽光への投資額が今後5年間で60%減少するが、2030年代には再び増加し、年間平均70億ドルに達すると予想する。風力・太陽光発電量シェアは、2020年の20%から2050年には78%まで拡大する見込み。その一方で、老朽化した石炭火力の閉鎖も進めており、信頼性やコスト面の課題は他のアジア諸国より少なくとも10年以上早く直面している。

 今後10年間の積極的な風力・太陽光への投資により、アジア太平洋地域の電力分野におけるCO2排出量は、2025年の73億tがピークになると予測する。これは1人あたり1.8tに相当し、ほとんどの先進国の半分以下のレベルになる。しかし、石炭火力の影響で2050年までにカーボンフリー電力の実現は難しく、炭素回収・貯留や火力発電へのグリーン燃料(水素、アンモニア、バイオマスなど)の適用が鍵になると指摘する。

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