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タケエイが東金市で約10MWのバイオマス発電、地元林業と連携

2021/06/29 13:44
工藤宗介=技術ライター
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事業地の場所
(出所:タケエイ)
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 タケエイは6月18日、千葉県東金市における木質バイオマス発電事業計画を発表した。地元の林業事業者であるマルトシと協業し、千葉県木材市場協同組合の敷地を賃借して発電所を建設する。2024年ごろに売電を開始する予定。

 東金市を含む山武地域は「山武杉」の産地で知られるが、近年は林業衰退による放置林の増加などで溝腐れ病による腐朽被害が拡大している。腐朽が進むと木材としての価値が失われるほか、台風などの強風で倒れて停電や交通の分断などを引き起こす恐れがあり、予防・拡大防止措置と被害木の処理が急務となっている。

 今回発表した木質バイオマス発電事業では、山武杉および溝腐れ病被害木を含む千葉県内の森林間伐材を燃料にする計画。出力は9990kW(9.99MW)、年間330日運転し一般家庭約2万2000世帯分に相当する電力量を生み出す予定。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)に基づき売電する。

 燃料チップの原木には、2019年の大型台風で300万m3発生したとされる風倒林など、自然災害によって発生した木材の有効活用も検討する。同社の100%子会社であるタケエイ林業とのシナジーにより、育苗・植林から再造林、間伐、搬出といった林業における一連の作業工程を担い、50〜100年計画で千葉県全域の森林再生および新たな資源循環モデルの構築を目指す。

 タケエイグループは、東北地方4カ所、首都圏2カ所でバイオマス発電所を稼働するほか、タケエイ林業が燃料材の安定供給および林業の再生・活性化への貢献を目指している。また、岩手県花巻市の花巻バイオマスエナジーでは、花巻市や地元森林組合などとの共同研究により、松くい虫によって枯死した特産のアカマツを発電燃料として活用することに成功している。

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