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GSアライアンス、ペロブスカイト太陽電池の京大ベンチャーに出資

2021/06/30 20:51
工藤宗介=技術ライター
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折り曲げ可能なペロブスカイト太陽電池
折り曲げ可能なペロブスカイト太陽電池
(出所:GSアライアンス)
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 環境・エネルギー分野の最先端材料を研究開発する化学会社であるGSアライアンス(兵庫県川西市)は6月29日、京都大学発のベンチャー企業でペロブスカイト太陽電池の製品化を目指すエネコートテクノロジーズ(京都市)に出資したと発表した。出資額は非公表で、マイナー出資となる。

 エネコートテクノロジーズは、京都大学化学研究所・若宮淳志教授が最高技術責任者(CTO)を務め、より高い発電効率と耐久性を併せ持つペロブスカイト太陽電池の開発に取り組んでいる。また、ペロブスカイト太陽電池に含まれる鉛を代替材料に置き換える、鉛フリーの太陽電池の開発も進めている。

 GSアライアンスは、脱炭素社会に向けて、100%天然バイオマス系生分解性樹脂、コーティング材料、塗料などの化学製品群、次世代型二次電池、燃料電池、人工光合成や量子ドット、金属有機構造体などの最先端材料を提供することをビジョンに掲げる。エネコートテクノロジーズに出資するとともに、ペロブスカイト太陽電池用の酸化物、炭素系材料などの電極材料、量子ドットなどを含む光吸収材料の開発、海外向けの営業活動に関して協業していく。

 ペロブスカイト太陽電池は、酸化物、金属、炭素系材料などの電極層、ペロブスカイト結晶の層などを塗布して印刷方式で製造できる。結晶シリコン太陽電池と比べて軽量で厚みを約100分の1にできるほか、折り曲げて多様な場所に設置できる。また、ここ数年で発電効率が急速に改善され、結晶シリコン太陽電池と同等の20%超の水準に達しており、次世代太陽電池として注目されている。

 京都大学化学研究所・若宮研究室では、ペロブスカイト太陽電池の開発に取り組んでいる。1月に豪シドニー大学やニューサウスウェールズ大学らとの共同研究で、ペロブスカイト太陽電池を空気中に保管することで発電効率が向上する機構を包括的に解明した。また、5月には半導体・電子部品製造装置のサムコから、ペロブスカイト太陽電池向けALD(原子層堆積)装置を導入した。

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