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指定都市自然エネ協議会が提言、「促進区域の推進に財政支援を」

2021/07/06 16:50
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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経産省を訪れて副大臣に提言書を手渡した
経産省を訪れて副大臣に提言書を手渡した
(出所:日経BP)
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 全国20の政令指定都市が参加する、指定都市 自然エネルギー協議会は7月5日、「再生可能エネルギーによる持続的な社会構築に向けた提言」をまとめ、電源構成比率に占める再エネ導入目標として「2030年までに少なくとも45%」や、温暖化対策推進法に基づく「再エネ促進区域」の推進に向けた財政的支援を求めた。

 指定都市自然エネ協議会は2011年7月に設立され、エネルギー大消費地である指定都市の立場から、地域分散型再エネの普及・拡大を目指して政策提言や情報共有などに取り組んできた。全国に20ある政令指定都市がすべて参加している。7月5日は都内で総会を開いて、設立10周年記念宣言と、菅総理大臣向けの政策提言を採択した。

 今回の提言内容は、以下4項目で構成した。(1)再エネ最大導入・活用に向けた目標設定、(2)大都市の特性を踏まえた再エネ需要拡大強化、(3)再エネ導入・活用を促進する基盤整備、(4)新たな技術的・社会的イノベーションの推進、(5)再エネ導入・活用に向けた予算措置などの充実――。

 政府は、再エネ推進の主体として自治体の役割を強めている。温対法の改正によって、各地域に「再エネ促進区域」を設けて積極的に再エネを新設する「ポジティブゾーニング」を自治体に求めている。また、地域脱炭素ロードマップをまとめ、2030年度までに脱炭素を実現する「脱炭素先行地域」を全国100カ所以上に創出するとの目標を掲げた。

 こうしたなか、自治体の取り組みを支援するための予算措置の在り方が大きなテーマになっている。小泉環境大臣は、電源立地交付金の交付対象でない太陽光・風力の立地地域に資金支援する「再エネ立地交付金」の構想を打ち出している(関連記事:小泉大臣が「再エネ立地交付金」に言及、自治体への資金支援に一石)。

 また、都市部への太陽光導入策として、「住宅屋根への設置義務化」が国土交通省の有識者会議などで議論になっている(関連記事:公共施設への太陽光設置を標準化、PPAモデル推進、国交省)。

 今回の提言書は、協議会会長の門川大作・京都市長、副会長の髙島宗一郎・福岡市長、鈴木康友・浜松市長、清水勇人・さいたま市長らが環境省と経済産業省を訪れ、笹川博義・環境副大臣、長坂康正・経済産業副大臣に手渡した。

 経産省を訪れた協議会会長の門川・京都市長は「中長期的に再エネは経済性と両立するが、当面の間は自治体にとっては負担になる。国による財政的な措置が是非とも必要」と求めた。これに対し、長坂経産副大臣は、「景観問題など再エネ導入に懸念する声も高まっているなか、自治体主導で再エネ設置を推進する区域を指定するポジティブゾーニングに期待している。それを支援する財政措置について検討していきたい」と応じた。

 今回の提言内容には、注目される財政措置の具体的な規模や枠組み、住宅太陽光の設置義務化に関しては、盛り込まれなかった。

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