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国内初、バイオガス発電で「トリジェネ」、電力・熱・CO2を利用

2021/07/08 15:54
工藤宗介=技術ライター
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安曇野バイオマスエネルギーセンター
(出所:エア・ウォーター)
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バイオガス発電設備
(出所:エア・ウォーター)
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 エア・ウォーターは、長野県安曇野市のトマト農園に設置したバイオガス発電設備「安曇野バイオマスエネルギーセンター」において、7月1日から国内初となる電力・熱・CO2を供給する「トリジェネレーション事業」を開始した。

 同社は、トマト栽培事業を行う農地所有適格法人・エア・ウォーター農園の安曇野菜園敷地内において、出力1MW規模のバイオガス発電設備を導入した。2020年4月から、固定価格買取制度(FIT)を活用した売電事業と、発電時の排熱を安曇野菜園に供給するコジェネレーション(熱電併給)システムを運営してきた。

 今回、バイオガス発電設備を増設するとともに、発電設備から出る排ガスを浄化した上でトマト栽培ハウスに供給し始めた。排ガスには相対的に高濃度のCO2が含まれており、トマトの光合成を促進する効果が期待できる。排ガス中のCO2利用により、栽培ハウスの保温用に使用していたLPG(液化石油ガス)と光合成促進のために使用していた液化炭酸ガスの削減が可能になる。

 発電設備は独スパナー(Spanner)製で定格出力は1.96MW、年間発電量は1500万kWhの見込み。FITによる売電単価は40円/kWh。また、熱供給能力は3800kW、CO2供給能力は300kg/hとなる。燃料は、長野県森林組合連合会などの協力のもと地域の未利用材を活用する。年間使用量は2万5000t。

 同社は、同事業を通じて持続可能な農業の促進、地域材活用と雇用創出による地域貢献に取り組む。また、同センターで確立した地産地消型のトリジェネレーションモデルを、それぞれの地域事情に即した形で展開していく。

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