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環境省、2030年度までに3立地合計「20GW」、太陽光追加シナリオ公表

民間自家消費で10GW、自治体主導で10GWを見込む

2021/07/08 18:27
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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 経済産業省・資源エネルギー庁は7月6日、有識者会議(再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会)を開催し、再生可能エネルギーの追加的な導入政策に関し、環境省と農林水産省、国土交通省から説明があった。

 環境省は、2030年度までに約20.1GWの太陽光を追加的に導入する見通しを公表した。その内訳は、(1)国・地方公共団体が保有する設置可能な建築物屋根などの約50%に設置することを目指し、6.0GWの導入。(2)民間企業において自家消費型の設置を促進し、少なくとも10GWの導入。(3)改正温暖化対策推進法を効果的に運用し、約1000の市町村が公有地や脱炭素促進区域などにおいて、4.1GWの導入――。

 公共建物と促進区域などへの設置など、自治体主導によって約10GWの再エネを上乗せするイメージになっている。

環境省が提起する太陽光の追加的な設置イメージ
環境省が提起する太陽光の追加的な設置イメージ
(環境省)
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 一方、農水省は、荒廃農地に再生エネ設備を設置しやすくするために農地転用規制の見直し内容を示したものの、「農山漁村地域における再エネ導入目標については、エネルギー基本計画の策定を待って検討」として、追加的な導入規模を具体的に明示しなかった。

 また、国交省は、公的賃貸住宅、官庁施設、道路、空港、港湾、鉄道・軌道施設、公園、ダム、下水道などのインフラ空間を活用し、太陽光発電を可能な限り導入するとしたもの、具体的な導入規模については「空港の再エネ拠点化を推進して、2030年までに2.3GW規模の導入について検討」と示すに留まった。

 経産省はすでに太陽光の2030年における累積導入量に関し、現状の政策を維持した場合、約88GWになるとの試算値を公表。今後、1.5GW程度に落ち込む可能性のある年間の新設市場を2030年まで6GWに回復させるとの政策イメージを公表している。これが実現すれば、現時点で約60GWの太陽光の導入量は、2030年度に120GW程度になる。

 今回、環境省と国交省が示した追加的な導入量を、経産省が試算した現状政策維持ケースの約88GWに加えると、合計約110GWになり、120GWにはさらに10GWを積み増す必要がある。これを穴埋めする設置場所として、今回導入規模を示さなかった荒廃農地の活用が期待されることになりそうだ。

 ただ、2030年度の温暖化ガス削減目標である46%減を達成するための太陽光の累積導入量としては、130G~160GWという試算値も民間機関などから出されている。今後、政府が公表する次期エネルギー基本計画のなかで、2030年度に想定する太陽光導入規模によっては、太陽光の積み増し可能な立地についてより踏み込んだ議論が必要になる。

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