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ENEOSと仏社、国内の浮体式洋上風力で共同開発

2021/07/14 19:08
工藤宗介=技術ライター
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ダンピングプール技術を用いた浮体式風力発電設備
ダンピングプール技術を用いた浮体式風力発電設備
(出所:BW Ideol)
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 ENEOSは7月7日、浮体式洋上風力発電のエンジニアリング技術を持つ仏BW Ideolとの間で、国内における商業規模の浮体式洋上風力発電ファームの共同事業開発契約を締結したと発表した。

 ENEOSは、2021年6月に再エネ海域利用法に基づく国内初の公募案件である長崎県五島市沖における浮体式洋上風力発電事業者に選定された。日本の周辺海域は、水深が海岸から急に深くなるなどの地形条件により、風車自体を海洋に浮かせる浮体式が、支柱を海底に埋設する着床式と比べて約3倍のポテンシャルを持つと推定される。

 BW Ideolは、同社が特許を所有する「ダンピングプール技術」を用いた浮体式風力発電において、仏と日本の気象・海象条件の異なるエリアで異なる認証機関の認証を取得し、実証運転を成功させた唯一のエンジニアリング企業という。この技術は、浮体の中央をドーナツ形に空洞にすることで洋上での揺れを抑制する仕組みで、浮体式基礎は、小型でシンプルな形状のため施工性が良く、スチールのほかコンクリートを材料にできるため、製造や設置で大きなコスト優位性を持つとしている。

 両社は今後、具体的な候補エリアにおいてダンピングプール技術を用いた浮体式洋上風力発電事業の開発を共同で進め、国内における浮体式洋上風力発電のコスト削減など早期の商用化に向けて取り組む。また、ENEOSは、BW Ideolとの事業開発を進めることでノウハウを蓄積し、洋上風力発電事業の自社開発を推進していく。

 また、スイスの日立ABBパワーグリッド(Hitachi ABB Power Grids)は、浮体式洋上風力発電所向け変圧器製品群を開発し、6月3日から提供を開始した。浮体式洋上風力発電所は、海面の揺れにより荷重が常に掛かる、高さ15mにもなる波による振動や衝撃にさらされるといった厳しい環境に耐えるように設計された。

 同製品群は、浮体式洋上風力発電向け集電昇圧用変圧器および接地変圧器、分路リアクトル、洋上風力タービン向け変圧器。洋上風力発電所の運用要件を満たすよう最適設計された軽量かつモジュール式の能動部品、タンク、タップ切買い装置、付属品、外部部品などで構成される。また、同社の洋上風力タービン向け変圧器「WindSTAR」も、浮体式向けに改良してラインアップに加えた。

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