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九電とベンチャー、欧州で需給調整サービス、大型蓄電池を設置

2021/07/14 20:17
工藤宗介=技術ライター
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次世代蓄電池システム
(出所:九州電力)
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 九州電力と、蓄エネルギーシステムを開発する東京大学発のベンチャー企業であるエクセルギー・パワー・システムズ(東京都文京区)が共同で設立したQE1 Flexibility Services合同会社(福岡市)は7月1日、アイルランド島で電力需給調整サービスを開始した。

 エクセルギーが開発した「次世代蓄電池システム」を用いて、1MWの調整力を提供する。アイルランド島では、風力発電が発電設備容量の約3割(500万kW)を占めており、発電量の急激な過不足を補償するために高速な調整力を調達する市場がつくられている。

 次世代蓄電池システムは、温度上昇を5度以内に抑える独自の電池構造を採用し、一般的な蓄電池を上回る連続的な急速充放電が可能という。電池内部に水素を封入して酸化による電極の劣化を抑え、15万回以上の充放電サイクルを実現した。電離起電力を充電電圧で設定できるため、制御装置がなくても過充電せずフローティング充電が可能で、無停電電源装置などにも向くという。

 両社は、2019年3月にアイルランド島の需給調整市場に20MW規模の調整力を提供することで業務提携しており、今回がその最初の取り組みとなる。今回のサービス提供で得られた知見を活用し、さらなる規模拡大を目指す。

 また、三菱総合研究所(MRI)は6月30日、エクセルギーに追加出資を行うと発表した。MRIは、2019年7月にエクセルギーと業務資本提携を行い、主に欧州でのプロジェクト開発などを共同で取り組んできた。今回の追加出資により協業関係をさらに深め、主に国内での共同事業展開を目指す。出資額は非公表、合わせて社外取締役を派遣する。

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