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島根県津和野町でバイオマス発電、排熱でチップを乾燥

2021/07/16 19:13
工藤宗介=技術ライター
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Volter 40設置イメージ
Volter 40設置イメージ
(出所:フォレストエナジー)
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 フォレストエナジー(東京都品川区)は7月13日、島根県津和野町において、木質バイオマス発電事業の建設工事に着手したと発表した。排熱も利用するコージェネレーション(熱電併給)システムで運用する。2022年6月に商業運転を開始する予定。

 同社が提携するフィンランドVolter製の熱電併給設備「Volter 40 Indoor」を12台設置する計画。これまで国内ではVolter 40を29台導入済みだが、1カ所に12台導入するのは国内外でも初めての事例になる。出力規模は、電気が480kW、熱が1200kW。年間発電量は、一般家庭約1000世帯分に相当する約374万kWhの見込み。

 発電した電力は中国電力に売電する。固定価格買取制度(FIT)による売電単価は40円/kWh。排熱(温水)は、主にウッドチップ(生木のチップ)の乾燥に用いる。乾燥機は英WoodTek Engineering製の「Eco T4 Plus」を採用。ウッドチップの含水率を用途に合わせて自動的に熱量を調整するため、自社利用のほか近隣のバイオマスボイラー向けチップ製造などにも排熱利用する予定。

 燃料は、津和野地域から集材した年間約6500tの原木を、津和野町が新たに建設中のチップ工場で加工する。バイオマス発電所とチップ工場および乾燥機を併設することで、燃料供給元で加工・乾燥工程を負担することなく、間伐材・底質材の流通量を増やすことができ、地域の森林整備の促進に役立つとしている。

 事業主体は、フォレストエナジーが100%出資する津和野フォレストエナジー合同会社。資金調達は、7月5日付で商工組合中央金庫(商工中金)がアレンジャーを務め、山陰合同銀行、日本海信用金庫が参加した総額4億円のシンジケートローン契約を締結した。

 商業運転開始後は、津和野地域におけるVolter 40やチップボイラーの増設に取り組み、地域における木質バイオマス熱利用をさらに促進する計画。また、副産物であるバイオ炭の使用を促進することで、地域資源循環型エネルギーシステムを構築する。

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