ニュース

いすみ市でマイクログリッド、「配電ライセンス」取得も視野

市と関電工、東電PGが連携、太陽光と蓄電池、エンジン発電機で

2021/07/20 12:37
金子憲治=日経BP、工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
地域マイクログリッドの電力供給イメージ
地域マイクログリッドの電力供給イメージ
(出所:関電工)
クリックすると拡大した画像が開きます
地域マイクログリッド構築事業に関する基本協定書の締結式の様子
地域マイクログリッド構築事業に関する基本協定書の締結式の様子
(出所:関電工)
クリックすると拡大した画像が開きます

 千葉県いすみ市と関電工、東京電力パワーグリッド(東電PG)の木更津支社は、同市が取り組む「強靭ないすみ市計画」の実現に向け、災害時のレジリエンス性を高める地域マイクログリッド構築事業を推進する。7月15日に発表した。

 関電工は、2022年に配電ライセンスの許可を取得することを目指しており、いすみ市のマイクログリッド構築事業を、将来的に平常時も含めた配電事業に発展させることも視野に入れている。

 いすみ市のマイクログリッド構築事業は6月30日、経済産業省の補助事業である2021年度「地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金(地域マイクログリッド構築支援事業のうち、地域マイクログリッド構築事業)」に採択された。これを受けて3社は7月1日、基本協定書を締結した。

 地域マイクログリッドの構築範囲は、防災拠点であるいすみ市庁舎および指定避難場所である大原中学校を中心に、東京電力PG木更津支社の系統を開閉器で区分した約30棟。電源などエネルギー関連設備(エネルギーリソース)として、いすみ市庁舎に太陽光発電設備、大原中学校に太陽光発電設備とLP(液化石油ガス)ガスエンジン発電設備、蓄電池、需給調整システム(EMS)を設置する。

 太陽光発電設備は、太陽光パネルの出力が合計279kW、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力が合計260kW、LPガスエンジン発電設備の定格出力100kW、蓄電池は出力200kW、容量260kWhとなる。平常時は導入したエネルギーリソースを活用したピークカット運用により電気料金を削減。大規模停電時は、マイクログリッドを東電PGの電力系統から切り離し、エネルギーリソースの運用により必要な電力を供給する。

 設備所有者は、送配電設備が東京電力PG、発電設備およびEMSが関電工。設備構築は2021年7月~2023年1月、設備運用は2023年2月~2030年3月の予定。

 政府は電気事業法を改正し、2022年4月から配電ライセンス制を導入する。これにより、配電ライセンスの許可を受けた民間事業者は大規模停電時に限らず、平常時においても一般送配電事業者の配電網を賃貸することで電力を供給できるようになる。

 配電事業ライセンスを取得することで、旧一般電気事業者、一般送配電事業者が規制を受けてできない、発電・配電・小売り事業を兼業でき、一体運用が可能になる。これにより、関電工では「地域マイクログリッドのエリア拡大、新しい形での電力供給サービの提供が可能となり、まちづくり、脱炭素、防災・減災の同時実現が可能になる」と見ている。同社では、2022年に、配電ライセンス取得第1号を目指している。

  • 記事ランキング