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関西最大121MWのメガソーラー、パシフィコ・エナジーが着工

売電単価は15.17円/kWh、ENEOSが単独で出資参画

2021/08/04 17:58
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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三田太陽光発電所の完成イメージ図
(出所:パシフィコ・エナジー)
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 太陽光発電デベロッパー大手のパシフィコ・エナジー(東京都港区)は8月2日、兵庫県三田市に出力121MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「三田太陽光発電所」を着工したと発表した。同日、ENEOSは、同メガソーラーに単独で出資参画すると発表した。

 ゴルフ場跡地を利用して、もともとフェアウエイだった平坦なエリアを中心に太陽光パネルを設置し、残置森林を維持しつつ、既存の4つの調整池を改修・増強した。商業運転の開始は2023年末を予定し、年間発電量は約143億kWhを見込んでいる。約18年間の売電期間中のCO2削減効果は約115万tとなる。

 プロジェクトファイナンスを組成し、三菱UFJ銀行、三菱HCキャピタルなどから融資を受けた。法律顧問は、ベーカー&マッケンジー法律事務所が務めている。

 太陽光パネルの合計出力は121MW、電力系統に送電できる連系出力は85MWとなる。EPC(設計・調達・施工)サービスはjuwi自然電力が担い、太陽光パネルはJAソーラー製(545W/枚)、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(3.2MW機)を採用する。

 従来、ゴルフ場跡地を活用したメガソーラーは40MW前後になることが多かったが、今回、太陽光パネルの合計出力を121MWまで伸ばせたのは、1枚545Wの最新型高出力パネルを採用した効果が大きいという。10年ほど前には1枚200W台だったことを考えると同じ枚数でも合計出力は2倍以上に増えることになる。

 「三田太陽光発電所」は、固定価格買取制度(FIT)を利用して売電する。買取価格は15.17円/kWhで、これは2018年度下期の第3回入札に参加し、落札により決まった。同発電所は、パシフィコ・エナジーにとって15番目の自社開発案件となり、15.17円/kWhの買取価格は最も安い単価となる。パシフィコ・エナジーでは、「再生可能エネルギーのグリッドパリティ実現による国民負担ゼロに向けた重要なステップ」(松尾大樹社長)としている。

 また、出資参加したENEOSにとって同発電所は、同社が手掛ける太陽光発電所として最大規模となる。ENEOSグループは2040年長期ビジョンで自社排出分のカーボンニュートラルを掲げており、2022年度までに国内外における再エネ事業の総発電出力を100万kW(1GW)超に拡大することを目指している。

 パシフィコ・エナジーによると、「三田太陽光発電所」の開発には、4つの法律と8つの条例に基づく審査をクリアする必要があったという。林地開発許可はゴルフ場跡地を利用したものの新規に取得した。また、兵庫県の大規模開発及び取引事前指導要綱に基づき、春・夏・秋分の環境影響評価を実施した。2018年度の認定取得後、着工まで3年を要したのは、こうした事前の手続きに時間を要したからという。

 「三田太陽光発電所」の太陽光パネル出力である121MWは、稼働済み発電所と比較すると、北海道安平町の「ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク」の111MWを上回り、パネル出力で国内4番目の規模になる。ただ、今年5月時点の認定情報では、121MWを超える未稼働案件が5つある。今後、仮にこれらが稼働に至ったとしても国内トップ10に入る国内有数の規模のメガソーラーになることは間違いない(関連記事:「メガソーラーランキング・TOP40」2020年版、100MW超が6サイトに)。

 こうした100MW超のメガソーラーの所在地は、稼働済み案件では岡山県と北海道、青森県、未稼働案件も東北と九州地方になっており、その点、兵庫県三田市にあり、大阪・神戸という大消費地に近い「三田太陽光発電所」は、将来的なPPA(電力購入契約)による売電事業を見据えた場合、相対的に価値が高いとも言える。

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