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ENEOS、日本と豪州で再エネ水素、MCHチェーンの事業性を評価

2021/08/06 11:21
工藤宗介=技術ライター
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東京湾岸エリアにおけるCO2フリー水素サプライチェーン
東京湾岸エリアにおけるCO2フリー水素サプライチェーン
(出所:ENEOS)
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むつ小川原地区と東北エリアにおけるCO2フリー水素サプライチェーン
むつ小川原地区と東北エリアにおけるCO2フリー水素サプライチェーン
(出所:ENEOS)
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Neoen Australiaとの協業検討の範囲
Neoen Australiaとの協業検討の範囲
(出所:ENEOS)
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 ENEOSは、国内外の再生可能エネルギー由来の水素を有機ハイドライド(MCH)で運搬するサプライチェーン構築に向けた調査事業を実施する。

 同社は、7月28日、新エネルギー・産業技術総合研究所(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利用ポテンシャル調査」の委託先に採択されたと発表した。

 採択テーマ「東京湾岸エリアにおけるCO2フリー水素供給モデルに関する調査」は、川崎臨海部を中心とする東京湾岸エリアにおいて、同社の製油所をCO2フリー水素の受入・供給拠点と想定し、既存パイプラインを活用した大規模水素需要家へ効率的な水素供給モデルの構築を検証する。

 具体的には、川崎市と連携し、海外で製造した安価なCO2フリー水素の国内受入スキーム検討、コンビナート地域の既存パイプライン網の活用可能性調査、水素パイプライン整備における技術課題および規制課題の整理、CO2フリー水素供給モデルの事業性を評価する。調査期間は2022年度末まで。

 採択テーマ「むつ小川原地区と東北エリアにおける水素製造・利用ポテンシャルに関する調査」では、むつ小川原地区を中心とする東北エリアにおいて、再生可能エネルギーを利用したCO2フリー水素の地産地消モデル構築に向けて、水素キャリアである有機ハイドライド(MCH)を利用して同地区内外における水素需要の拡大を目指す。

 具体的には、同社独自の水素エネルギー管理システム(EMS)を活用し、再エネによる水素製造・利用検討、MCHの製造・貯蔵・輸送・供給・製油所などでの水素利用、石油備蓄タンクのMCH貯蔵可能性評価、水素製造・供給モデルの事業性を評価する。調査機関は2022年度末まで。

 また、同社は8月2日、オーストラリア企業Neoen Australiaとの間で、日豪間のCO2フリー水素サプライチェーン構築に向けた協業検討について覚書を締結したと発表した。Neoen Australiaは再エネ電力の安定供給および水素製造する水電解槽について、ENEOSはMCHの効率的な製造および日本への海上輸送について検討する。期間は半年程度の予定。

 Neoen Australiaは、仏ネオエングループのオーストラリア子会社で、太陽光・風力発電などの再エネ事業を手掛ける。豪州内での発電容量は2GW超(建設中を含む)。協業を検討する南オーストラリア州は、蓄電池インフラが世界で最も整備された地域のひとつであり、同州政府は水素・アンモニアなどの次世代エネルギー産業の育成を目指して港湾設備の拡張を計画していることから、日本への水素輸出拠点としての活用が期待される。

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