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経産省が重点政策、水素・洋上風力・太陽光に目標、蓄電池の生産拡大

2021/08/26 22:30
工藤宗介=技術ライター
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蓄電池の地域別の生産能力推移
(出所:経産省)
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 経済産業省は8月23日、今後の経済産業政策の重点の1つとして、「グリーン」を挙げ、「水素・アンモニア・洋上風力・太陽光などの導入目標」などに言及した。

 「第29回 産業構造審議会総会」を開催し、「経済産業政策の新機軸」の方向性を示し、「令和4年度 経済産業政策の重点(案)」を取りまとめた。

 経済産業政策の新機軸については、市場の失敗の是正は大前提として、新たな視点・価値から市場を捉えて政府が積極的に関与すべき領域も拡大するとともに、新機軸で取り組むぺきミッションは時代の要請を踏まえて不断の見直しを行っていくとした。

 具体的な分野としては「グリーン」「レジリエンス」「デジタル」「分配」の4つを挙げる。いずれも、市場の失敗が生じやすく、市場メカニズムが限定的で、各国とも政府が主導的な役割を果たしている分野となる。また、コロナ禍による持続可能性への関心の高まりや、K字回復に伴う経済格差への懸念なども背景にあるという。

 これらを踏まえ、経済産業政策の重点(案)では、コロナ禍の経済情勢に応じた的確な対応を掲げ、新たな付加価値を中長期的に獲得し、成長を続けられる産業構造の構築(求められる「価値」の実現と「経済」の好循環の同時達成)を目指すとした。そのなかで、「経済」×「環境」の好循環として「グリーン成長戦略・エネルギー基本計画」を挙げた。

 グリーン成長戦略・エネルギー基本計画では、(1)電池・水素・洋上風力などグリーン成長の加速、(2)エネルギー需給構造の強靭化によるS+3Eの実現、(3)成長に資するカーボンプライシング――を掲げる。具体的には、国内サプライチェーンの強靭化支援、充電・充填インフラ整備とサプライヤーなどの構造転換支援、水素・アンモニア・洋上風力・太陽光などの導入目標、非化石エネルギー使用拡大など需要側からカーボンニュートラルに資する制度的措置の検討、非化石証書やJ-クレジットなど既存制度の見直しなどを挙げている。

 また、具体的政策例では「蓄電池の国内生産基盤強化」を掲げる。蓄電池は、再エネの調整力や自動車の電動化などに不可欠な「カーボンニュートラル社会のエネルギー基盤」であり、グリーン成長戦略においても需要な位置を占める。諸外国では、まずは車載用蓄電池の国内生産基盤確保に向けてEV(電気自動車)の需要創出策や大胆な投資支援により内外の電池・材料メーカーを積極誘致している。一方、日本は、技術優位で先行するも、国内投資に遅れが生じているという。

 地域別の蓄電池生産能力では、日本は2025年に年間39MWh(2020年比17GWh増)の見込みで、米国の年間205GWh(同158GWh増)、欧州の年間726GWh(同660GWh増)、中国の754GWh(同572GWh)と比べて大きく出遅れている。生産拡大支援、需要創出、制度的措置などを含めた総合的な対策を講じ、イノベーション・雇用の種として国内に蓄電池の生産基盤を維持・強化する必要があると指摘している。

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