ニュース

TMEICが15MW級の地熱発電機、高効率・小型軽量化を実現

2021/08/30 19:26
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
従来設計との寸法比較
(出所:TMEIC)
クリックすると拡大した画像が開きます

 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は8月30日、小型軽量化と高効率化を実現した15MW級地熱用2極同期発電機を開発し、8月から販売を開始したと発表した。

 これまでの発電機設計・評価試験で培ってきた強度・剛性解析技術を追求することで、従来機と比べて質量を約30%、据え付け面積を約26%低減した。地熱発電所の多くは建設条件の厳しい山間部にあるため、小型軽量化によって輸送や据付工事の負担が軽減する。

 また、発電機の挙動をシミュレーションするFEM解析を駆使して電磁気設計や高効率ファンを用いた冷却設計を最適化することで、発電機の損失を低減させた。同規模の地熱用発電機としては世界最高クラスの発電効率98.1%を達成した。

 このほかにも、硫化水素によって銅が腐食しやすい地熱発電事業の環境に対応し、発電機に特別な腐食対策を施すことで耐久性と信頼性を向上させた。長期間にわたって発電性能を維持できるという。

 日本では、地熱発電の総出力を2030年度までに2017年度の約3倍となる約1500MWに拡大することを目標としており、地熱発電用の新設発電機の需要拡大が期待される。特に、15MW未満の地熱発電所は、固定価格買取制度(FIT)の売電単価、フィード・イン・プレミアム(FIP)の基準価格の設定が相対的に高いこともあり、建設需要が伸長する見通し。

 TMEIC回転機システム事業部長の神嵜英俊執行役員は、「これまで培ってきた2極同期発電機の実績と技術力をベースに信頼性を追求すると共に、今回、世界最高クラスの高効率を実現した」とのコメントを公表した。

  • 記事ランキング