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太陽光第9回入札、平均落札価格は10.6円、「ミドル」案件が急増

落札案件は特高4件、1~2MWは60件、1MW未満が128件に

2021/08/31 22:17
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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落札者が決まるイメージ
(出所:経産省)
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 一般社団法人・低炭素投資促進機構は8月27日、太陽光発電(250kW以上の高圧・特別高圧連系案件)を対象にした、固定価格買取制度(FIT)による第9回入札(令和3年度第2回)の結果を公表した。

 前回に続き、札を入れた容量は募集容量を上回り、最高落札価格は上限価格を下回るなど、入札回数を増やして1回の募集容量を減らした効果が表れた。

 今回の入札は事前に上限価格を公表し、前回の11.00円/kWhから0.25円下げ、10.75円/kWhと設定していた。また、募集容量(入札量)は前回より16.3357MW多い224.3357MWとしていた。

 落札されたのは192件・224.3357MWで、最低落札価格は10.28円/kWh、最高落札価格は10.73円/kWh、加重平均落札価格は10.60円/kWhだった。募集容量を約16MW増やしたことで、落札件数は135件から192件と、57件増えた。

 最低価格は前回の10.00円/kWhから0.28円上昇したものの、最高落札価格は前回の10.98円/kWhから0.25円下がり、加重平均落札価格は前回の10.82円/kWhから0.22円下がった。 結果的には、ほぼ上限価格の低下分だけ、落札価格も下がったことになる。

 今回の入札での募集容量は224.3357MWで、札を入れたのは215件・合計出力約270.0359MWで、募集容量を上回った。その結果、落札されたのは、より低い価格を入れた札から224.3357MWに達した192件となり、最高落札価格は、上限価格を下回る10.73円となった。その意味では、前回と同様、最高落札価格が上限価格に張り付くことなく、本来の競争入札の効果が出た。

 2021年度の入札は、対象を2020年度と同様、250kW以上としたが、入札回数を2回から4回に増やすとともに入札上限価格を事前に公表した。2020年度入札の上限価格は事前非公表で、上期(第6回)12円/kWh、下期(第7回)11.5円/kWhだったが、2021年度の1回目(第8回)は11円/kWh、今回2回目(第9回)は10.75円/kWh、今後、3回目(第10回)は10.50円/kWh、4回目(第11回)は10.25円/kWhとなる。

 加えて、募集容量を減らすことで、入札効果を高めることを狙った。2020年度は上期・下期各750MWで合計1500MWだったが、2021年度は1回の募集量を208MWとし、2021年度の2回目は、1回目の応札量と落札量の差分の4割を加えた224.3357MWとした。 2021年度3回目は、2回目の応札量と落札量の差分の4割を加えた242.6158MWとなる。

 今回の入札で、参加資格の審査に提出された案件は249件・318.347MWだったが、参加資格を得たのは237件・302.0034MWに留まった。そのうち実際に入札に参加したのは215件・270.0359MWとさらに減った。入札参加に意欲を持っていたものの、連系協議の進展遅れなど何らかの理由により、入札を見送った件数が相当数に上ることが伺える。

 今年度は、フィード・イン・プレミアム(FIP)開始を来年度に控え、250kW以上の太陽光がFITによる売電事業で認定が取得できる最後の年度になる。そのため駆け込み認定が予想される。今回、前回に続き入札参加資格の審査に300MW以上が応募したことを見ると、新規開発が活発化していることが伺える。

 今回の落札結果を、規模別に見ると、2MW以上の特別高圧案件は4件(40MW・10.39円、2.7MW・10.65円、8.5MW・10.70円、9.482MW・10.73円)、1MW以上2MW未満のメガソーラーが60件、250kW以上1MW未満のミドルソーラーが128件だった。前回入札では特高案件が3件、メガソーラーが54件、ミドルソーラーが78件だったことと比べると、それぞれの規模で増加しているものの、募集容量が約16MW増えた恩恵を最も受けたのはミドルソーラーであることが伺える。

 また、特高案件では、4件中3件が、10MW未満の案件だった。

 これまで高圧案件の開発では、固定的に必要になる受変電設備の費用を考えると、投資効率の低い1MW未満のミドルソーラーの開発は少なかった。また、特高案件でも、同様に投資効率の低い10MW未満の案件開発は避けられてきた。逆にいうと、2MW前後や10MW超に適した広さの立地が減ってくるなか、こうした従来は「中途半端」として残されてきた広さの立地が見直され、案件開発が増えているとも考えられる。

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