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定置用蓄電池の世界市場、42.7%増の3万2692MWh

太陽光や風力発電設備の急増に対応

2021/09/16 22:53
工藤宗介=技術ライター
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定置用蓄電池(ESS)の設置先別世界市場規模推移・予測
定置用蓄電池(ESS)の設置先別世界市場規模推移・予測
(出所:矢野経済研究所)
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 矢野経済研究所は9月14日、定置用蓄電池(ESS:Energy Storage System)の世界市場規模は、出荷容量ベースで2020年に前年比42.7%増の3万3692MWh、出荷金額ベースで同33.7%増の121億6800万米ドルとの推計結果を発表した。

 世界各国では、脱原発・脱石炭による低炭素社会構築に向けて、太陽光や風力といった再生可能エネルギー発電設備が急増している。それに伴い、出力変動抑制や電力品質向上、電力安定化などを目的とした定置用蓄電池の導入が増加している。

 2020年は当初、新型コロナウイルスの影響で海外渡航が制限され、定置用蓄電池の導入についても影響が大きくなると懸念された。しかし、一部地域でスケジュール遅延などが多少発生しているものの、電力網の老朽化に伴う停電や既存発電設備の稼働中止を背景に、電力系統用の定置用蓄電池の導入は拡大を続けている。

 2021年は、前年比9.0%増の3万6735MWhを見込む。日本では景気悪化による家庭用需要が減少しているものの、その他の米国・欧州・中国といった地域では前年同様に導入が増加しており、微増となる見通し。

 設置(需要先)別では、携帯電話基地局・UPS(無停電電源装置)向けに定置用リチウムイオン蓄電池の導入が増加しているが、定置用鉛電池は、既存基地局向け交換需要を含めて減少している。電力系統用や企業・業務用は、前年度同様に増加傾向にある。特に米国では、異常気象や電力網の老朽化に伴う停電により、電力安定供給に向けた定置用蓄電池の導入拡大が見込まれる。

 2030年には、10万1662MWhまで成長すると予測する。コロナウイルスの収束が進むにつれ、太陽光や風力といった再エネ設備に導入に対する投資がさらに拡大する見通し。また、蓄電池メーカー各社による材料変更や設計方法の改善などで、蓄電池価格の下落が一層進むと期待される。

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