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日豪6社、豪州で「太陽光水素」事業化調査、液化して日本に運搬

2021/09/17 18:13
工藤宗介=技術ライター
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アルドガ地区の水素製造拠点のイメージ
アルドガ地区の水素製造拠点のイメージ
(出所:岩谷産業)
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 岩谷産業、川崎重工業、関西電力、丸紅の日本企業4社と、オーストラリアのエネルギー・インフラ企業であるStanwell、APT Management Services(APA)の2社は、豪州クイーンズランド州グラッドストン地区において太陽光発電由来の水素を大規模に製造・液化して日本へ輸出するプロジェクト(Central Queensland Hydrogen Project)の事業化調査を共同で実施する。9月15日、覚書を締結したと発表した。

 日本では、ゼロカーボン社会の実現に向けて、海外からの輸送も視野に入れた水素サプライチェーンを構築が期待される。一方、CO2フリー水素源の獲得競争は世界的に激しさを増しており、日本のエネルギーセキュリティの観点からも安価な再エネ電源と輸出港の確保が重要になる。

 また、豪州クイーンズランド州は、晴天が年間300日以上続く気候であり、太陽光発電のポテンシャルが非常に高い地域とされる。同州政府の指針として、化石燃料から太陽光・水素へのエネルギートランジションを打ち出している。

 岩谷産業と、同州政府が所有する電力公社であるStanwellは、2019年から大規模な太陽光由来液化水素の製造および日本への輸出に向け調査してきた。今回、その結果を踏まえて、事業化に向けて本格的に検討する。

 主に太陽光由来水素の製造技術や、水素を液化するプラントの建設、運搬船建造、それに伴うファイナンスおよび環境アセスメントの検討、商用化モデルを検討していく。2026年ごろに1日あたり100t規模(想定再エネ必要量は1GW程度)、2031年ごろには1日あたり800t以上(同7GW以上)の水素生産規模を想定する。現在の日本の液化水素生産量は1日あたり最大30tであり、約26倍の生産規模となる。

 Stanwellが先立ってグラッドストン地区のアルドガ地域に水素製造拠点として確保している土地約235haや、水素液化・積荷拠点として確保する予定になっているフィッシャーマンズランディングの土地約100haの活用を検討する。また、日本への輸出用だけでなくオーストラリア国内の需要先に向けても「太陽光水素」の供給を検討する予定。

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