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洋上風力「2040年・45GW」達成には「浮体」が必須

シーメンスガメサは「洋上風力によるグリーン水素」を実証

2021/10/04 10:05
宇野麻由子=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 2020年10月の「2050年カーボンニュートラル」宣言に伴い、洋上風力発電への期待が高まっている。2021年9月29日~10月1日に開催された「第1回 スマートエネルギーWeek[秋]」の「第1回 WIND EXPO[秋]」(東京ビッグサイト、青梅展示棟)では、洋上風力の展示に関する展示や講演に多くの人が注目していた(図1)。

図1●風力発電に関する展示会「第1回 WIND EXPO[秋]」は「第1回 スマートエネルギーWeek[秋]」の一つとして、青梅展示棟で開催された
図1●風力発電に関する展示会「第1回 WIND EXPO[秋]」は「第1回 スマートエネルギーWeek[秋]」の一つとして、青梅展示棟で開催された
(出所:日経BP、一部を加工しています)
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 「(経済産業省が策定した)グリーン成長戦略が掲げる重点14分野において、洋上風力は一丁目一番地」――同展示会セミナーの基調講演に登壇した、経済産業省 新エネルギー課 風力政策室 室長補佐の菊池 沙織氏は、こう表現した。菊池氏は洋上風力発電を進める理由について、世界で大量導入が進んでおり今後はアジアでも急成長が見込まれること、欧州で落札額が10円/kWhを切るなどコスト低減が進んでいること、さらにデンマーク・エスビアウ港の例を示し、1プロジェクトで数千億円といった洋上風力発電は関連産業や地域などへの経済波及効果が大きいことを挙げた(図2)。

図2●「カーボンニュートラル実現に向けた風力発電政策について」と題した講演を行う、経済産業省 新エネルギー課 風力政策室 室長補佐の菊池氏
図2●「カーボンニュートラル実現に向けた風力発電政策について」と題した講演を行う、経済産業省 新エネルギー課 風力政策室 室長補佐の菊池氏
(出所:日経BP)
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 実際に「第1回 WIND EXPO[秋]」の会場では、洋上風力発電に向けて事前の各種調査関連だけでなく、建設段階や稼働段階などの各段階で必要となる様々な製品やサービスの提案がなされていた。例えば、東京汽船は洋上風力発電アクセス船(作業員輸送船、CTV)事業について紹介していた。既に建設要員や運用・維持管理作業員の輸送手段として稼働しており、今後需要は伸びるとみる(図3)。

図3●東京汽船の展示。CTVには高速で横波に強く動揺が少ない双胴船を採用している。比較的陸に近い現在の洋上風力の場合は経済性を優先した20t未満の小型船舶CTVが向くという。19t船ながら、資材運搬スペースなどとしてデッキサイズをぎりぎりまで確保した
図3●東京汽船の展示。CTVには高速で横波に強く動揺が少ない双胴船を採用している。比較的陸に近い現在の洋上風力の場合は経済性を優先した20t未満の小型船舶CTVが向くという。19t船ながら、資材運搬スペースなどとしてデッキサイズをぎりぎりまで確保した
(出所:日経BP)
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 電材エンジニアリング(北海道室蘭市)はO&M(運営・保守)システム「Denzai Data Care」を紹介していた。保守の効率化やダウンタイム削減といった利益率向上には欠かせないとして、パーツの劣化予測やトラブルの早期発見に向けたCondition Monitoring System(CMS)に力を入れており、洋上風力で先行する欧州でも実用化例がないとみられるブレードのCMSの開発を進めているという(図4)。

図4●電材エンジニアリングの展示。欧州に比べて日本では台風に加えて落雷が多いなどの過酷な気象条件が課題となっている。こうしたCMSによって損傷が軽度のうちに現場でケアできれば、ブレード交換といった大掛かりな工事を避けられ、効率運用につながるとする
図4●電材エンジニアリングの展示。欧州に比べて日本では台風に加えて落雷が多いなどの過酷な気象条件が課題となっている。こうしたCMSによって損傷が軽度のうちに現場でケアできれば、ブレード交換といった大掛かりな工事を避けられ、効率運用につながるとする
(出所:日経BP)
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