シン・エナジー、串間市の病院に「バイオマスコージェネ」導入

2021/10/07 16:25
工藤宗介=技術ライター
串間市民病院に導入した木質バイオマス設備
串間市民病院に導入した木質バイオマス設備
(出所:シン・エナジー)
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 シン・エナジー(神戸市)は10月1日、宮崎県串間市の「串間市民病院」に、バイオマス燃料によるコージェネレーション(熱電併給)システムと、バイオマスボイラーを導入したと発表した。

 設置したのは、木質ペレットを使ったバイオマスガス化によるコージェネシステムと、木質ペレットを燃料にするバイオマス蒸気ボイラー設備になる。

 木質ペレットガス化コージェネは、独エントレンコ(Entrenco)製で、定格出力50kWの発電と同120kWの熱利用が可能。発電した電力は全量自家消費するともに、熱利用による温水を施設内に供給して空調や給湯に活用する。燃料消費量は42~44kg/h。総合熱効率は85%(発電効率25%、排熱利用効率60%)。

 木質ペレットによるバイオマス蒸気ボイラーは、九州オリンピア工業製で、500kg/hの蒸気と313kWの熱出力が可能。蒸気を殺菌用ととして利用するとともに、木質ペレットガス化コージェネと同様に熱を温水として利用する。燃料消費量は75.5kg/h(高)、37.8kg/h(低)。ボイラー効率は83%。

 同病院では、これまで年間138kLの灯油を使用して温水と蒸気を供給してきた。両設備の導入により、灯油を木質ペレットに100%代替し、さらに発電した電力を自家消費することで、年間系統電力購入量の26%を削減し、年間CO2排出量の50%にあたる約520tの削減を見込んでいる。

 また、発生する熱と電力を病院内で活用するだけでなく、災害時には非常用発電設備とともに、自立運転してエネルギーを供給できる。木質ペレットがス化コージェネは無人運転で稼働し、ガス化炉は数カ月の連続運転でき、緊急時には即時対応可能な体制を構築した。自立運転できる小型の木質ペレットガス化コージェネの導入は国内初という。

 燃料は、同社が出資し運営をサポートする、くしま木質バイオマス(串間市)の大生黒潮発電所で生産される、100%地域材の木質ペレットで賄える。今後も、同発電所の面的展開として、地域内にバイオマス設備の設置を促進し、エネルギーの地産地消に貢献するとしている。