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業界初、「農福連携・営農型太陽光」竣工、障害者に雇用の場

エコスマイルと彩の榊が連携、サカキを栽培

2021/10/13 22:21
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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 太陽光発電所を開発・運営するエコスマイル(名古屋市)とサカキ栽培を手掛ける彩の榊(東京都青梅市)は10月10日、三重県津市安濃町で、低圧事業用のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)の竣工式を開催した。

 同発電所は、固定価格買取制度(FIT)により今年9月に認定を取得し、買取価格12円/kWhで発電電力の全量を売電する。2020年度からの制度変更で、連系出力50kW未満の低圧事業用太陽光は、自家消費率30%以上の余剰売電に限定されたが、10年の一時転用を認められた営農型については、系統停電時の自立運転機能を条件に全量売電が認められた。今回、津市で稼働した発電所は、この規定を利用したものになる(図1)。

図1●三重県津市安濃町に竣工したソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)
図1●三重県津市安濃町に竣工したソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)
(出所:日経BP)
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 発電所の開発と運営・保守はエコスマイルで、営農事業者は彩の榊となる。従来の低圧事業用案件と同様に、「土地付き太陽光」として投資家が出資した。加えて特徴的なのは、社会福祉法人サンフラワークラブ(津市)と連携し、障害者を活用する点だ。エコスマイルでは、こうした仕組みの太陽光を「農福連携土地付きソーラーシェアリング」と呼んでいる。こうした仕組みは国内初で、今回の案件が完成第1号になるという(図2)。

図2●竣工式の様子
図2●竣工式の様子
(出所:日経BP)
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 営農型太陽光でサカキ栽培に従事するのは、サンフラワークラブの運営する福祉作業所で働く障害者で、「就労継続支援B型」と呼ばれる、一般企業と雇用契約を目指して軽作業の就労訓練を行っている段階の人たちだ(図3)。

図3●太陽光パネルの下にはサカキの苗を植えた
図3●太陽光パネルの下にはサカキの苗を植えた
(出所:日経BP)
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 エコスマイルの東田顕史社長は、「地域の社会福祉法人と連携することで、障害者にやりがいのある雇用の場を提供できる。ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視する時代になり、意識の高い投資家への訴求効果が高まる点も大きい」とし、今後も「農福連携」を基本に低圧事業用の営農型太陽光を全国的に開発していきたいという。

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