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2030年に燃料の10%を脱炭素型、ANAとJALが連携

2021/10/18 23:21
工藤宗介=技術ライター
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ANAとJALが脱炭素で連携
ANAとJALが脱炭素で連携
(出所:ANA、JAL)
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 全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は10月8日、2050年カーボンニュートラル実現に向け、CO2排出を大幅に低減できるSAF(持続可能な航空燃料)の活用に関する市場調査を実施し、共同レポート「2050年航空輸送におけるCO2排出実質ゼロへ向けて」を策定したと発表した。

 同レポートでは、SAFの有用性や必要量などについて調査することで、日本の航空業界で主に課題となる燃料の生産体制、流通・活用、諸外国及び次世代へのインパクトに関する現状などを分析。2050年カーボンニュートラル実現に向けてカギとなる活動を明らかにした。

 SAFは、バイオマス・廃食油・排ガスなど原材料の生産・収集から、製造、燃焼までのライフサイクルでCO2排出量を従来燃料より約80%削減し、既存のインフラをそのまま活用できる。一方、現在の世界のSAF生産量は需要の0.03%に留まっており、量産と普及が急務となっている。

 2050年までにSAFを世界へ普及させるには、航空輸送に関わる産業が横断的に協力して技術開発・生産・利用を加速させ、2030年には少なくとも航空燃料の10%をSAFへ移行する中間目標が必要と指摘している。両社は、2050年までにCO2実質ゼロを実現するには、日本のSAF必要量を最大約2300万KLと試算した。

 国産SAFの商用化が見込まれる2030年以降は、エネルギー安全保障の観点からも、SAF自給率を政策的に高めていくことが重要であり、国産SAFの安定供給と国際競争力のある価格が実現すれば日本の国際空港の地位向上や安定的な国際ネットワーク構築につながるとしている。アジア圏のSAF市場は、2050年には約22兆円規模の巨大市場になると見込まれている。

 また、ANAホールディングスとJALは9月22日、SAFの導入促進を目指す世界経済フォーラムのクリーン・スカイズ・フォー・トゥモロー・コアリション(Clean Skies for Tomorrow Coalition)に参画し、2030年までに世界のSAF率10%増加を目指す「2030 Ambition Statement」に署名した。

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