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第6次エネルギー基本計画が閣議決定、太陽光は倍増の120GW想定

ポジティブゾーニング、荒廃農地の活用で8.2GWを想定

2021/10/26 21:47
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 10月22日、「第6次エネルギー基本計画」素案が閣議決定され、2030年に向けた新たな電源構成の目標などが決まった。これにより、2030年度の電源構成に占める再生可能エネルギー比率の想定は、従来目標の22~24%から、36~38%に引き上げられた。

 太陽光発電については、従来想定の「電源比率7%・設備容量64GW」からほぼ2倍に引き上げられ、「14~16%・103.5G~117.6GW」に上積みとなった。太陽光発電の現時点の導入量である約60GWから、ほぼ倍増を目指すことになる。

第6次エネルギー基本計画による2030年度の電源構成目標(エネルギーミックス)と現時点の導入進捗率
第6次エネルギー基本計画による2030年度の電源構成目標(エネルギーミックス)と現時点の導入進捗率
目標値が上がったことで、太陽光の進捗率は56%に留まる(出所:経産省)
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 今回の想定数値は、菅前首相の2050年カーボンニュートラル宣言とそれを見据えた2030年度の「温室効果ガス46%削減」に対応したもの。

 エネルギー基本計画に盛り込む電源構成の目標(エネルギーミックス目標)は、従来、政策的に見込める想定量を積み上げることで決めていたが、今回は、最初に温室効果ガス削減目標が決まり、それを実現できる電源構成を試算することで決まった経緯がある。

 そのため、経済産業省は当初、36~38%の再エネ導入量については、推進策を強化しても届かない数値としていた。太陽光についても、政策強化によっても最大100GWと公表し、目標の103.5G~117.6GWにはまだ足りないとしていた。だが、最終的に、こうした野心的な水準を達成するための具体策として、最大117.6GWの達成を裏打ちする政策シナリオを示した。

 こうした経緯で積み上げられた「太陽光117.6GW」達成の内訳は、まず、現時点の導入量(55.8GW)に、未稼働の認定案件のうち75%が稼働するとして18GWを加えて73.8GW。これに現行施策の努力継続で毎年度1.5GWの新規認定があると想定して13.8GW、これに政策強化策によって、自治体のポジティブゾーニングで4.1GW、公共施設への設置で6.0GW、空港への設置で2.3GWを積んで、合計で100GWになる。

 さらに野心的な水準を達成する具体策として、新築住宅への設置で3.5GW、荒廃農地の活用など農山漁村関連での地域共生型再エネで4.1GW、民間による自家消費のテコ入れで10GWをさらに積み増すことで合計117.6GWに届くとした。

太陽光のミックス目標・117.6GW達成に向けたシナリオ(追加施策の積み上げ)
太陽光のミックス目標・117.6GW達成に向けたシナリオ(追加施策の積み上げ)
環境省と農水省が連携し、地域共生型で8.2GWを想定する(出所:経産省の資料を基に日経BP作成)
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 こうした一連の追加策で注目されるのが、自治体主導によるポジティブゾーニングと荒廃農地の活用など地域共生型で合計8.2GWを見込んでいること。ポジティブゾーニングは、自治体が積極的に再エネを新設する「促進区域」を設定する仕組みで改正地球温暖化対策推進法により規定された。また、荒廃農地の活用は、改正温対法のほか、農山漁村再エネ法の枠組みの活用などで推進することになりそうだ。前者は環境省、後者は農林水産省の所管になる。

 農水省によると全国で再生困難な荒廃農地は19.2万haに上り、単純計算すると100GWを超える太陽光の導入ポテンシャルがある。農水省と環境省が、荒廃農地の転用による太陽光の新規開発をどんな施策で後押しするのか、ポテンシャルが大きいだけに、再エネ導入量の積み増しに大きく影響しそうだ。

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