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複数の再エネで水素を製造、IHIなど北九州で実証

太陽光、風力、バイオマスで水を電気分解

2021/11/16 23:43
工藤宗介=技術ライター
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水素製造装置
水素製造装置
(出所:IHI)
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水素貯蔵タンク
水素貯蔵タンク
(出所:IHI)
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実証事業の概要
実証事業の概要
(出所:IHI)
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 IHIは、北九州パワー、北九州市、福岡県、福岡酸素、ENEOSとともに、地域の再生可能エネルギーを活用してCO2フリー水素を製造・供給する実証事業に取り組んでいる。11月25日から、ごみ発電(バイオマス)・太陽光・風力といった複数の再エネ電源を同時制御する「水電解活用型エネルギーマネジメントシステム」を活用して水素を製造する実証試験を開始する。

 同実証事業においてIHIは、2020年度から同システムの開発と水素製造設備の設置を進めてきた。水素製造装置は、約65kWhの電力から約10Nm3/hの水素を製造できる。使用する再エネ電源は、追尾型太陽光発電(定格45kW)、マルチレンズ風車(定格9kW)、ごみ発電(北九州パワーの系統電力からの託送として模擬的に再現)。実証期間全体で約1800Nm3程度を製造する予定。

 発電量変化の特性が異なる複数の再エネ電力から水電解装置で効率よく水素を製造することを目指す。また、福島県相馬市の「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」で太陽光と水電解装置を利用する地産地消型エネルギー管理システムの開発・運用実績で培った技術を活用し、水素製造・供給コストやCO2削減量などを検証する。

 製造した水素は、北九州市響灘地区の物流施設、北九州水素タウンのパイプライン、県内各地の水素ステーションに輸送して使用する。実際にサプライチェーンを運用するなかで、水電解装置などの機器の規模や運用方法、安価な電力調達などのシミュレーションを行い、CO2フリー水素を低コストで製造・供給できるモデルを構築する。

 再エネの導入が進む九州では、電力の需給バランス維持のために地域で余剰となった再エネ電源を出力抑制する状況が発生している。こうした再エネ電源を有効活用することで、CO2フリー水素の製造・供給の低コスト化を実現できる可能性がある。また、響灘地区では、太陽光や風力など約16万kWの再エネ電源が集積し、近接地域では水素供給の実証試験も行われている。

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