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「バーチャルPPA」を解禁へ、経産省が検討スタート

2021/12/02 19:33
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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バーチャルPPAのイメージ
バーチャルPPAのイメージ
(出所:自然エネルギー財団の資料を元に経産省作成)
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 経済産業省は11月29日に有識者会議(電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会)を開催し、再生可能エネルギー電源による「バーチャルPPA(仮想的な電力購入契約)」スキームを早期に実現できるように制度を検討するとの方向性を示した。

 固定価格買取制度(FIT)を利用しない非FIT太陽光発電所からの電力を、企業が長期で調達する契約を結ぶ「コーポレートPPA」には、再エネ電気と環境価値を一体として取引する「フィジカルPPA」と、再エネ電気と環境価値を分離して取引する「バーチャルPPA」がある。国内では今年に入りフィジカルPPAの採用例が増えてきたが、海外ではバーチャルPPAがPPAスキームの主流になっている。

 バーチャルPPAは、需要家企業が追加性のある環境価値を安定的に確保できる一方、実際の電力調達に柔軟性がある点や、発電事業者にとっても再エネ電気のバランシングが容易になるなどの利点がある。

 こうした状況から、経産省は、国内でバーチャルPPAを実現するための課題を整理し、必要な制度変更を急ぐとの方針を示した。

 国内ですでに非FIT再エネ電源由来の「非FIT証書」の仕組みがあることから、この制度を応用する。具体的には、非FIT再エネからの電気をコーポレートPPAで取引した場合、一定の要件を満たせば、再エネ発電事業者と需要家の間で「非FIT再エネ証書」の直接取引を認めることにする。

 この際、証書のダブルカウントを回避するために非FIT再エネ発電事業者と需要家の双方がJEPX(日本卸電力取引所)に証書の口座を開設することや、対象となる非FIT再エネ電源は新設であること、などの仕組みが提案された。

 今回の有識者会議では、こうした事務局(経産省)案に概ね賛同が得られた。ただ、対象となる「新設電源」の範囲に関して議論があった。複数の委員から、既存の非FIT再エネ設備に追加投資したケースや石炭火力にバイオマスを混焼したケース、FITを終了した再エネを改修したケースなどの扱いに関して、積極的に認めてほしいとの意見が出された。

 また、「非FIT再エネ証書」の電源証明の発行、そのためのトラッキング制度についても、需要家からの要望が強いことから新制度に盛り込んでほしい、との意見があった。

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