霧島酒造、バイオガスによる「サツマイモ発電」でCO2ゼロに

2021/12/04 18:57
工藤宗介=技術ライター
焼酎粕リサイクルプラント
焼酎粕リサイクルプラント
(出所:霧島酒造)
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サツマイモ発電のガス発電機
サツマイモ発電のガス発電機
(出所:霧島酒造)
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KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLEのイラスト
KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLEのイラスト
(出所:霧島酒造)
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さつまいもEV e-imoと充電スタンド
さつまいもEV e-imoと充電スタンド
(出所:霧島酒造)
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 霧島酒造(宮崎県都城市)は11月24日、2030年度までに工場・事務所のCO2排出量を実質ゼロにすると発表した。このうち焼酎粕や芋くずなどサツマイモ由来のバイオガスエネルギーで2013年度比50%削減を目指し、残りは再生可能エネルギーの調達なども視野に入れる。

 同社は、2006年に焼酎粕や芋くずなどのサツマイモ由来の副産物をメタン発酵させてバイオガスを取り出し、焼酎製造工程のボイラー燃料として利用する施設を建設した。また、蒸留工程で発生する温排水を工場設備の洗浄水や暖房に利用するなど工場の省エネにも取り組んだ。これらの施策により、2020年度時点でCO2排出量の2013年度比33%削減を達成した。

 2014年には「サツマイモ発電」と命名してバイオガス発電事業を開始した。本社工場のメタン発酵槽(バイオリアクター、1基あたり容量280m3)16基に加えて、サツマイモ発電用のガス発電設備3台を設置した。発電機の合計出力は2MW、年間発電量は一般家庭2400世帯分に相当する850万kWhとなる。発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)に基づき九州電力に売電する。売電単価は39円/kWh。

 このほか、志比田工場にもメタン発酵槽を8基設置しており、生成したバイオガスはボイラー燃料に使用し、余剰分は燃焼して大気に放出している。同社では、この燃焼分をもっと有効利用できると考えており、今後の計画として志比田工場にもサツマイモ発電の導入を検討している。

 両工場のバイオガスプラントにより、年間21万tの焼酎粕や芋くず(焼酎粕が日量850t、芋くずが同15t)を活用している。残さは、固体は堆肥に、液体は排水処理を行っている。これまでの取り組みを含めて、今後の持続可能な焼酎造りを目指すプロジェクト全体を「KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE~さつまいもを、エネルギーに。~」と名付けた。

 また、サツマイモ発電の電力を利用できる普通充電器2基、急速充電器1基の合計3基の充電スタンドを設置し、電気自動車(EV)「さつまいもEV e-imo(イーモ)」を4台導入した。ホンダのEV「Honda e」にKIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLEのイラストのラッピングを施したもので、都城市を中心に走行することで同社の取り組みを発信していく。2030年度までに社用車約130台を電動車に切り替えていく。