2021年の再エネ新設は290GW、太陽光は160GW、IEA調査

2026年までに再エネ設備規模が化石・原子力を超える

2021/12/05 00:13
工藤宗介=技術ライター
IEAの「Renewables 2021」
IEAの「Renewables 2021」
(出所:IEA)
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 国際エネルギー機関(IEA)は12月1日、毎年発行している再生可能エネルギー市場レポートの最新版「Renewables 2021」を発表した。それによると、太陽光パネルや風車の主要材料のコストが上昇しているにも関わらず、2021年に新設された再エネ設備の出力は290GWに達し、2020年に記録した過去最高値を上回る見通し。

 同レポートは、2021年から2026年までの5年間における再エネの新設出力を予測したもの。2026年までに世界の再エネ設備出力の累計は、2020年比で60%以上増加し、現在の化石燃料と原子力を合わせた総出力に相当する4800GWを超える見込み。

 また、2021年から2026年の5年間に増加する再エネ出力は、2015年から2020年までの5年間に比べて50%増加すると予想する。こうした再エネ設備の増加は、政府の政策による支援強化と、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催に伴い発表された、より野心的なクリーンエネルギー目標によるものとしている。

 地域別では、中国は、現在の目標である2030年より4年早い2026年に風力および太陽光の総出力が累計で1200GWに達すると予想され、新増設で世界を牽引する。インドは、2015年から2020年にかけての新規導入量が2倍になり、成長率ではトップになる見込み。欧州と米国も過去5年間と比べて導入量が大幅に増加し、この4つの市場で世界の再エネ設備拡大の80%を占めるという。

 再エネの中でも太陽光発電は、依然として成長の原動力となっている。2021年には、太陽光発電が17%増加し、新設出力は過去最高の約160GWに達すると予測される。同時期の陸上風力発電の導入量は、2015年から2020年の間と比べて平均で約4分の1増加する見込み。洋上風力発電の総出力は、2026年までに3倍以上になると予測される。ただし、2022年末まで一次産品価格が高止まりした場合、風力発電の投資コストは2015年のレベルまで戻り、太陽光発電の3年間のコスト削減効果も消えてしまうと懸念している。

 また、2021年のバイオ燃料需要は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく落ち込んだ昨年から回復し、2019年の水準を上回ると予測される。バイオ燃料の需要は、2026年まで大きく伸び、アジアが新規生産量の約30%を占める見通し。特にインドは、米国、ブラジルに次ぐ世界第3位のエタノール市場に成長すると予想される。

 再エネ成長の阻害要因としては、許認可やグリッド統合の問題、社会的需要の問題、一貫性のない政策アプローチ、不十分な報酬、発展途上国における高い資金調達コストなどが挙げられる。これらの障害の一部が克服されると仮定した場合、2026年までの再エネ設備の平均増加量はメインケースより4分の1高くなる。

 しかしながら、このような加速的な導入であっても2050年ネットゼロ・エミッションを実現する必要量にまだ達しておらず、2021年から2026年の5年間で再エネ設備出力をメインケースの約2倍に増やす必要があると指摘する。また、バイオ燃料の需要は、メインケースの平均4倍、再生可能な熱需要は約3倍に増加する必要があるとしている。