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火力の最低出力を20%に引き下げ、再エネ出力抑制を低減へ

「系統蓄電池」を電気事業法上で明確な位置付けに

2021/12/17 23:43
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出力制御の低減に向けた政策パッケージ
出力制御の低減に向けた政策パッケージ
(出所:経産省)
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 経済産業省は12月15日、有識者会議(電力・ガス基本政策小委員会 系統ワーキンググループ)を開催し、再生可能エネルギーに対する出力制御(出力抑制)を低減するための政策パッケージについて公表した。

 再エネへの出力抑制は、2015年4月に離島(種子島)から始まり、本土では2018年10月から九州で実施されている。2022年春には、北海道、東北、四国、沖縄で実施される可能性が高まっている。こうしたなか、経産省は、出力抑制を低減するための総合的な対策を検討してきた。

 対策は、(1)出力制御の効率化、(2)供給対策、(3)需要対策、(4)系統対策、に分け、有識者会議で検討を進めてきた。

 出力制御の効率化では、オンライン制御の普及を掲げた。旧ルール(30日ルール)で接続した再エネ設備は、手動で発電設備を停止・再稼働させるオフライン制御が主流で、機動的な出力制御の足かせになっている。旧ルール事業者のオンライン切替率は、九州や北海道では50%を超えているものの、東北や四国では12%台に留まっている。経産省では、今後2~3年で旧ルール事業者のオンライン切替率を10ポイント上げる目標を掲げた。

 供給対策では、新築の火力発電所については、最低出力を20~30%にするとし、ガイドラインに盛り込んでいくとした。現行では、新設の火力発電では、最低出力は概ね30%で一部は50%というケースもある。例えば、九州電力送配電の試算では、同社管内の火力の最低出力は30~50%で、これを仮に20%で運用した場合、再エネに対する出力抑制率は1%低下し、1億4000万kWh分の再エネ発電量は増加することになるという。

 また、需要対策では、市場メカニズムを通じた、再エネ余剰時の需要拡大を掲げ、その1つの方策として、「系統用蓄電池を活用した蓄電事業の電気事業法上の位置付けの明確化」「各種電力市場にこれらの蓄電池が参入できるように環境整備を進める」とした。

 系統対策では、すでにマスタープラン検討員会で系統増強計画の策定を進めているほか、既存の地域間連系線の運用容量を拡大するための工夫なども盛り込まれた。

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