来春から「FIT初期の低圧太陽光」も出力抑制、オンライン代理制御で

九州に加え、北海道、東北、四国、沖縄で初の出力抑制が濃厚

2021/12/18 00:12
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
経済的出力制御(オンライン代理制御)の仕組み
経済的出力制御(オンライン代理制御)の仕組み
(出所:経産省)
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 経済産業省は12月15日、有識者会議(電力・ガス基本政策小委員会 系統ワーキンググループ)を開催し、2022年度の事業用太陽光発電設備に対する出力制御(出力抑制)の見通しについて公表した。

 これまでに出力抑制が始まっているのは九州電力送配電管内に限定されている。会議では、九電管内に加え、2021年4~5月の昼間軽負荷期には、東北電力ネットワーク、北海道電力ネットワーク、四国電力送配電、沖縄電力の各管内において、出力抑制が実施される可能性が高まっているとした。実施された場合には、「経済的出力制御(オンライン代理制御)」の方式を導入し、これまで出力抑制の対象でなかった旧ルール(30日ルール)で系統に接続した10kW以上500kW未満の事業用太陽光も出力抑制の対象に加えるとした。

 固定価格買取制度(FIT)スタート当初、旧ルールで接続した500kW未満の事業用太陽光発電設備は、「当面の間、出力制御の対象外」とされた。だが、太陽光の導入が進んで今後、さらに出力抑制量が増大することが予想される中、公平性の視点から、審議会の場で、2022年度から出力抑制の対象に加えることが決まっていた。

 しかし、これら「旧ルール・500kW未満の太陽光」に対しては、オンライン制御に必要な設備を設置する義務がなかったことから、出力制御指令によって発電所の稼働を止める場合、発電事業者が手動により実施する「オフライン制御」が多くなり、手間がかかる。特に連系出力50kW未満の低圧事業用太陽光は桁違いに件数が多く、1事業者が多くのサイトを運営していることもあり、その実効性が課題になっていた。

 そこで、こうした「旧ルール・500kW未満太陽光」のうち、オフライン制御の発電所については、出力制御の対象に加えつつも実際に発電所設備の停止・再稼働を行わず、代わりにオンライン制御可能な発電所を停止・再稼働し、事後的に売電収入を調整・精算する「経済的出力制御(オンライン代理制御)」を採用することになった。例えば、旧ルール・低圧太陽光のオフライン事業者は、実際に発電所を停止・再稼働することはないが売電収入が差し引かれ、代理で停止・再稼働したオンライン事業者は、停止中に本来なら発電した分の売電収入を得るという仕組みになる。

 15日の会合では、こうした経済的出力制御(オンライン代理制御)の具体的な手順などに関しては、各一般送配電事業者から説明があった。

 オンライン代理制御の導入により、2022年度の事業用太陽光に対する出力抑制では、オンライン制御(新ルール/無制限・無補償ルールの事業者が対象)とオフライン制御(旧ルール・500kW以上の事業者が対象)、オンライン代理制御(旧ルール・500kW未満の事業者が対象)の3タイプとなる。旧ルール事業者も必要な制御設備を導入すれば、オンライン制御に移行できる。

 現在の出力抑制の運用方法では、オンライン制御事業者の方が、オフライン事業者よりも出力抑制率が低く、出力制御量全体でも、オンライン事業者が増えた方が抑制量を低減できるため、経産省と一般送配電事業者は、旧ルール事業者のオンライン制御化を促している。