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「太陽光パネル税」、美作市議会で可決、パネル1m2当たり「50円」

新税導入には「総務大臣の同意」、再エネ推進との整合が焦点に

2021/12/21 16:25
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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美作市議会は、事業用太陽光パネル税を可決した
美作市議会は、事業用太陽光パネル税を可決した
(出所:日経BP)
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 岡山県美作市の市議会は、12月21日に定例会本会議を開き、美作市が導入を目指す「事業用太陽光パネル税」を創設する条例案を審議し、賛成多数で可決した。太陽光パネル税は、地方税法に基づく法定外目的税で、パネル設置面積に応じ、発電事業者に課税するもの。

 法定外目的税の創設には、議会で条例が可決された後、総務大臣の同意が必要になるため、これらの手続きを考慮すると、導入されるのは早くても2023年度からになりそうだ。同意する要件の1つである、国の政策との整合性に関して、総務省は、エネルギー政策を所管する経済産業省に確認すると見られ、総務大臣の判断には時間かかることも予想される。

 美作市の目指す「太陽光パネル税」は、1m2当たり50円を5年間、課税する。課税対象は、出力10kW以上の野立てタイプの事業用太陽光発電所で、建築物の屋根上に設置した太陽光パネル、連系出力50kW未満の低圧事業用太陽光のうち平坦な立地する案件は課税対象から外す。税収は1年で約1億円、5年間で5億円を見込んでいる。税収の使途(目的)は環境保全と防災対策のほか、町民の生活環境の維持向上としている。

 「1m2当たり50円」は、美作市の試算では固定価格買取制度(FIT)による太陽光発電事業では収入の0.75~2.5%、JPEA(太陽光発電協会)の試算では、1kWhあたり約0.3円に相当し、買取価格14円/kWhの場合、売電収入の2%になる。これらの負担感が再生可能エネルギーの推進にとってどう影響するのか、「エネルギー政策との整合性」での論点となる。美作市から他の自治体に波及した場合、影響は全国的なものになる。

 総務大臣の同意には、エネルギー政策との関係のほか、国税または他の地方税と二重課税にならないこと、という要件もあり、こちらについても、国税である固定資産税との重複が問題視されてきた。

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