ニュージーランド初のMW級の水素製造、地熱発電に併設

2021/12/23 00:59
工藤宗介=技術ライター
グリーン水素製造プラント
グリーン水素製造プラント
(出所:トゥアロパキ・トラスト)
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グリーン水素製造プラント
グリーン水素製造プラント
(出所:トゥアロパキ・トラスト)
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開所式の様子
開所式の様子
左からトゥアロパキ・トラストのスティーブ・マリーCEO、ニュージーランドのミーガン・ウッズ エネルギー資源大臣、トゥアロパキ・トラストのジーナ・ランギ議長、在ニュージーランド日本国大使館の伊藤康一大使(出所:トゥアロパキ・トラスト)
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FCVへ水素供給する様子
FCVへ水素供給する様子
(出所:大林組)
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 大林組は、ニュージーランド・タウボにおいて同国初のメガワット(MW)級グリーン水素製造プラントを、同国の信託組織であるトゥアロパキ・トラスト(Tuaropaki Trust)と共同で建設した。12月9日に開所式を開催し、グリーン水素を試験販売する。

 タウボは、同国の北島北部の最大商都オークランドと北島最南端の首都ウェリントンの中間に位置する都市で、大規模な地熱発電所が多数存在する。グリーン水素製造プラントは、トゥアロパキ・トラストグループが所有・運営する「モカイ地熱発電所」の敷地内に建設された。同発電所は、定格出力113MWで、2000年から発電を開始した。

 モカイ地熱発電所からの電力供給を受け、出力1.5MWの水電解装置を用いて年間100tの水素を製造できる。燃料電池車(FCV)の燃料換算で1000台分に相当する。2021年3月のプラント完成以降、試運転や水素の品質確認、実証に係る体制整備が完了したことから、開所式を開催した。

 トゥアロパキ・トラストは、ニュージーランドの先住民マオリの地権者をオーナーとする信託組織。大林組は、2014年ごろから同国における再生可能エネルギーの将来性に着目し、2018年からトゥアロパキ・トラストと共同で同プラントの建設を進めてきた。

 大林組とトゥアロパキ・トラストは、共同設立した事業会社ハルシオンパワー(Halcyon Power)を通じて、グリーン水素サプライチェーンの実証事業に取り組んでいる。販売したグリーン水素は、公共交通機関や物流施設などの車両用燃料、化学薬品工場の原材料といった産業用途で活用される予定。

 同国政府では、電力の再エネ比率を現状の85%から2030年には100%にする政策を掲げており、その一環として水素の活用を積極的に推進している。