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脱炭素に伴うエネルギー関連市場の規模は?

2021/12/23 01:09
工藤宗介=技術ライター
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脱炭素社会を実現するための国内エネルギー設備・市場システム市場予測
脱炭素社会を実現するための国内エネルギー設備・市場システム市場予測
(出所:矢野経済研究所)
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脱炭素燃料の種類
脱炭素燃料の種類
(出所:矢野経済研究所)
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 矢野経済研究所は12月13日、カーボンニュートラルを実現するための国内エネルギー設備・システム市場規模予測を発表した。それによると、2021年度の同市場は7250億円の見込みで、2030年度は2兆3430億円、2050年度には3兆9850億円に拡大すると予測する。

 分野別では、水素がカーボンニュートラルの主役となり、2021年度の960億円から、2030年度に8200億円、2050年度には1兆7400億円まで拡大する見込み。CO2フリーアンモニアは、2021年度が20億円、2030年度に430億円、2050年度は2350億円と予測する。

 また、水素やアンモニアを脱炭素化する共通基盤技術であるCCUS(CO2分離・回収・利用)やカーボンリサイクル分野は、2021年度が20億円、2030年度が1600億円、2050年度が4800億円と予測。再生可能エネルギーは2021年度4100億円、2030年度4700億円、2050年度6800億円、蓄電池は2021年度2150億円、2030年度8500億円、2050年度8500億円の見込み。

 このほかにも同調査では、需要側で燃焼させてもCO2を排出しないとみなされる脱炭素燃料を注目トピックに挙げている。日本では、従来からの化石燃料は海外に依存していることから、脱炭素燃料の普及はカーボンニュートラルだけでなく、エネルギー安全保障の観点からも重要としている。

 脱炭素燃料のなかでも、水素とCO2から製造される液体合成燃料(人工的な原油)は、化石燃料の石油と同等にエネルギー密度が高いことから、モビリティ用燃料に有利と指摘する。液体合成燃料を再エネ由来水素から製造すれば「e-fuel」となり、サービスステーションなど既存の燃料供給インフラなどを活用した長期備蓄も可能であることからレジリエンス性も高いという。

 調査期間は4月~11月。調査対象は、エネルギー事業者、各種機器・設備・システムメーカー、エンジニアリング・建設会社、交通・運輸事業者、関係省庁、業界団体。同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)および電話・電子メールによるヒアリングを行い、文献調査を併用した。

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