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環境省、「再エネ促進区域」を類型化、目標値はポテンシャル重視で

2021/12/23 01:28
工藤宗介=技術ライター
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地域脱炭素化促進事業の構成
地域脱炭素化促進事業の構成
(出所:環境省)
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地域脱炭素化促進事業の実施イメージ
地域脱炭素化促進事業の実施イメージ
(出所:環境省)
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 環境省は12月17日、有識者会議を開催し、改正地球温暖化対策推進法で創設した「地域脱炭素化促進事業」制度に基づく「再生可能エネルギー促進区域」などについて基本的な考え方を取りまとめた。

 地域脱炭素化促進事業では、再エネ設備を設置して地域で利用する取り組みと、地域環境の保全、地域経済の活性化を両立させることを目指している。

 太陽光・風力・中小水力・地熱・バイオマスといった再エネ発電や再エネ熱供給設備を導入し、蓄電池や自営線、水素製造貯蔵施設の整備、自治体出資の地域新電力会社を通じて地域で利用することで、地域の脱炭素を推進することを想定する。

 地域脱炭素化促進事業を通じて、地域の課題解決につながることが期待される。地域によって課題が異なり、自治体や住民が求める貢献策も異なることから、協議会で地域の意向を汲んだ上で、それぞれの事業に則した取り組みを実施することが望ましいとしている。

 地方公共団体実行計画における「施策の実施に関する目標」のうち、再エネ目標の設定については、2050年カーボンニュートラルや2030年度46%削減目標の達成に向けて、各自治体の再エネポテンシャルを最大限活用する観点から、再エネ導入容量を再エネ種別に設定し、この目標を踏まえた促進区域の設定を検討すべきとした。また、域内のエネルギー需要・消費量に対して再エネで調達するエネルギー量やその割合を目標として設定することも示した。

 再エネポテンシャルが大きい地域では、域内需要にとどまらずポテンシャルが最大限活用されることが国全体のカーボンニュートラルにつながるため、地域経済・社会への貢献という視点が目標設定を検討する際に重要という。一方、特に人口の多い自治体で再エネポテンシャルが限定的である場合は、再エネポテンシャルが豊富な地域との広域連携による目標設定もあり得る。また、目標設定に対してマンパワー・専門知識が不足している小規模な自治体の場合は、他の自治体との共同策定も考えられるとした。

 中期(2030年)や長期(2050年)といった時系列別に目標設定する場合は、中期的には適地や系統確保などを踏まえた事業の蓋然性が高いものをベースとする一方、長期目標であるほどポテンシャルの最大限活用を重視して目標設定することが望ましい。市区町村が促進区域を設定し、再エネポテンシャルを踏まえた目標設定が行えるよう、REPOSなどのツールを充実・強化してポテンシャルや導入状況の見える化などの情報基盤整備を進め、地域経済循環分析ツールを充実・強化して地域へのメリットを可視化すべきとした。

 想定される促進区域を類型化した。「広域的ゾーニング型」として参考となる事例として秋田県にかほ市や福島県浪江町を挙げた。にかほ市では、環境省ゾーニング事業において風力発電を対象に調整エリア(設置するには何らかの調整が必要なエリア)・導入可能性エリア(設置の可能性があるエリア)などを設定した。浪江町では、再エネ導入を促進する区域・再エネ導入にあたって周辺環境との調和の観点から事業適地を見える化した。

 「地区・街区指定型」は、スマートコミュニティの形成などを行う地区・街区のように、再エネ利用の普及啓発や補助事業を市町村の施策として重点的に行うエリアを促進区域に設定する。参考ケースとして、宇都宮市における太陽光など、栃木県那須塩原市における小水力・バイオマス・太陽光などの設置例を挙げた。

 「公有地・公共施設活用形」は、利用募集やマッチングなどで公有地・公共施設を促進区域に設定する。参考例として、埼玉県所沢市が調整池に水上太陽光を設置、最終処分場にメガソーラーを設置したケース、横浜市が小中学校65校に太陽光を設置し、非常時には地域防災拠点などでの防災用電源としても活用する取り組みを挙げた。

 「事業者提案型」は、農山漁村再生可能エネルギー法のように民間提案による個々のプロジェクトの予定地を促進区域に設定するもので、福島市における太陽光や、青森県横浜町での風力発電を挙げている。

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