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JEPXが再エネ・トラッキング、非FIT含め「電源証明型」で

2022/01/03 22:13
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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FIT証書トラッキングの需要量推移
FIT証書トラッキングの需要量推移
(出所:経産省)
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 経済産業省は12月22日、有識者会議(電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会)を開催し、再生可能エネルギーのトラッキング制度に関して議論し、これまで実証として実施してきた体制から、日本卸電力取引所(JEPX)の事業に移行するとの方向性が示された。

 これまで国内では、再エネの環境価値を取引する市場として2021年に「再エネ価値取引市場」が、従来の非化石価値取引市場から分離する形で新設され、小売電気事業者に加えて電力需要家も直接、再エネ価値を購入できるようになった。同市場では、ほぼ全量をトラッキング付きとし、まずは固定価格買取制度(FIT)による再エネを対象にスタートするが、将来的に非FIT再エネにも拡大するとされた。

 一方で、再エネ電源のトラッキングに関しては、従来の非化石価値取引市場を補う形で、国の実証事業として実施されてきた。

 12月22日の会合では、事務局(経産省)から、「今後、トラッキングの利便性の改善に向けて、国による実証事業から独立採算事業として、JEPXに移管してはどうか」との提案があり、委員から賛同を得た。

 JEPXは、これまで非化石価値取引市場を運営しており、電力需要家の利益を保護する観点からも、経産大臣の監督下にあるなど、トラッキング事業の担い手として最適とされた。

 今後、再エネ価値取引市場は、JEPXによる運営の下で、非FIT再エネの相対取引におけるトラッキングにも対象を拡大するとともに、デジタル化や有償化、電源証明化に取り組むとした。また、経産省では、非FITの再エネ電源の情報開示に関し、制度的措置を含めた対応を検討する。

 日本では、現在、経産省のトラッキング実証事業のほか、複数の民間事業者がブロックチェーン技術を使って独自に再エネ・トラッキングをサービスとして提供している。しかし、国が支援するJEPXが、「電源証明付きの再エネ価値」を本格的に提供することで、国内の再エネ・トラッキングシステムは、JEPXに収斂していくことになりそうだ。1地域に複数のトラッキングシステムが併存すると再エネ電源をダブルカウントするリスクがあるため、世界的に、再エネ・トラッキングシステムの運用は1地域で1機関が原則とされている。

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