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期待発電量を正確に把握しリパワリング、太陽光関連2社が連携

2022/01/06 18:47
工藤宗介=技術ライター
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PVSQマネジメントのホームページ
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(出所:PVSQマネジメント)
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 太陽光発電所の評価やコンサルティングなどを手掛ける合同会社PVSQマネジメント(川崎市)と、東京大学発のベンチャー企業であるヒラソル・エナジー(東京都文京区)は1月4日、業務提携したと発表した。PVSQマネジメントの原因分析力と、ヒラソル・エナジーの技術力を活用し、太陽光発電所を評価し、安定運用するサービスの提案を目指す。

 PVSQマネジメントは、太陽光発電所の技術・リスク評価や太陽光パネルの性能・信頼性評価、コンサルティング業務を行っている。また、ヒラソル・エナジーは、東大発のIoT技術と独自のAI技術により太陽光発電所の発電性能評価から発電量回復のための再生工事まで提供している。業務提携に基づき、情報共有しながらそれぞれサービス提供していく予定。

 太陽光発電では、一部の業者による長期信頼性を犠牲にした製造・施工などが問題視されており、今後、太陽光パネルなどの不具合による出力低下などの問題が増加すると予想される。一方で、日射量や温度などの気象要因によって発電量がばらつくため、実績発電量を正確に評価するのが難しく、発電量から太陽光パネルの出力低下の兆候を把握するのは容易ではないことから、発電所の健全性を確認できる手法の確立が重要になる。

 ヒラソル・エナジーの調査によると、国内の太陽光発電所全体の20%でシステム出力係数(PR値)が80%以下だった。固定価格買取制度(FIT)で運用される太陽光発電所では、計画時のワーストケースの発電量予測値以上の発電であれば問題ないと判断してしまうことがあり、発電量低下や不具合に気付かず原因が放置されてしまうことも多いという。

 発電量の健全性を確認・維持するプロセスでは、まず期待発電量をより正確に算出し、実績発電量が期待発電量を下回っていないかをモニタリングすることが重要になる。実績発電量が期待発電量を下回る場合、詳細なデータ分析や現地調査などにより発電量低下の原因を検証する。その原因が潜在的な太陽光パネルの不具合と想定される場合は、パネルの出力分布(低下率)や劣化・故障要因を究明するため、パネル単位での評価(現地での出力モニタリングやラボでの試験)を行う。

 これらの評価によって発電量の低下原因が太陽光パネルの不具合と特定された場合は、発電性能をポテンシャルまで戻すリパワリング(設備の是正による発電量の改善)計画を策定する。リパワリングにかかる費用と発電量改善による収益向上を考慮して費用対効果が得られると判断した場合、リパワリングを実施する。同時に、メーカーへの補償請求なども準備する必要がある。

 PVSQマネジメントでは、主にプロジェクトファイナンスなどで資金調達するような大規模案件を対象に事業展開している。近年活発化しているセカンダリー案件で実績発電量の評価に課題があると認識しており、期待発電量の算出でヒラソル・エナジーの技術を活用した実績発電量評価サービスの提供を開始した。実績発電量が期待発電量を下回る場合、原因特定・改善をヒラソル・エナジーと連携しながら実施することを目指すとしている。

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